アレルギー
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アトピー性皮膚炎に対するスキンケア及び環境整備
1)スキンケア
:母親(あるい女性)は、洗顔後にまず化粧水を、ついで保湿の乳液を塗ることを絶対に忘れません。「あなたは洗顔後のケアを毎日2回続けますね?」と尋ねると、答えは必ず「ハイ」です。綺麗(きれい)にしたら、つぎとしっとり。いきなり、ファンデーションやメイクはやりません。化粧にも順番があるように、塗り薬でも、まずしっとりさせなければ効果が劣ります。
 母親の自己判断が治療を妨げることも多い。病変が見えるので、皮疹が軽快してくば「治った」と思うのでしょう。理由は薬を塗ることは面積×回数×種類という「非常に手間がかかる」作業だからです。内服がぐ終わるのとはまったく異なります。軽快すれば勝手に治療をやめておいて、再燃すると、医師に苦情を訴える人も多いようです。
 1日2回、よく石鹸を泡立てて皮膚をもみ洗いする。その後すぐに保湿剤を塗りましょう。痒(かゆ)みがひどい時には、1日3〜4回実施した方がより効果的でする。毎日、シャワーもしくは入浴させましょう。石鹸を使って体を洗いましょう。しかし、こすり過ぎると、皮膚の水分まで抜けることがあるので注意が必要です。何でもやり過ぎはいけません!!
 軽微な皮膚症状に対しても継続する必要があり、これを怠(おこた)ると炎症が容易に再燃します。1日2回の外用を原則としますが、再燃しないと確認されれば少しずつ量を減らし、1日1回でも構いません。
 ▽新生児スキンケアすると、顔面の皮脂量は適当に調整されニキビ様変化は生じないことが分かります。また、乳児の湿疹に対してもきちんとスキンケアした後に、保湿剤を塗り、湿疹のひどい所に弱いステロイド剤を重ねて塗るとすべての皮膚病変は改善されます。
 ▽夏の効果的な汗対策:汗をかいた後に効果的なのはシャワーです。シャワーは汗の水分だけでなく、皮膚について細菌も洗い流してくれます。とはいえ、外出時にはなかなかシャワーを浴びることもできません。そんな時には、こまめに「木綿のタオル」で拭いて対応しましょう。

2)環境整備:幼児期以降ではスキンケア以前の問題として、環境整備も重要です!
 居間や寝室の掃除は掃除機や雑巾で毎日しましょう。ジュータンは使わない。布製ソファーを使用しない。布団・毛布にはカバーを掛けて1週間に1回以上の頻度で交換する。布団を時々干し、取り込む前に掃除機を表面にかける。枕などもバスタオルなど洗えるもので代用する。毛のある動物は飼わない・触らない。

3)外用治療薬:@保湿剤が基本です。Aステロイド剤も怖(こわ)がり過ぎないことです。B顔の湿疹がひどい人には、ステロイド剤が入っていない薬(プロトピック)もあります。
 @保湿剤:軟膏が一番ですが、「べとつく」のが欠点です。ワセリンが代表格です。特に刺激を少なくしたものが「プロペト」です。ワセリンが合わない人には、オリーブ油、ツバキ油、アズノール軟膏(青)、サトウザルベ(=亜鉛華軟膏)、ヒルドイドなとがあります。価格的には、ワセリンが最も安く、プロペト、ヒルドイ゛ドの順です。ヒルドイドには、ヒルドイドソフト軟膏25g、ヒルドイ゛ドクリーム20g、ヒルドイドローション10gなとがあります。夏場には、クリームやローションを上手に使うのも良い方法です。
 Aステロイド剤:副作用に中で患者や家族が心配するのは、皮膚が薄くなることです。リンデロンV等のV群を3日間使用しても、4日間は白色ワセリンなどの保湿剤のみとするなら、これを数カ月続けても皮膚が薄くなることはありません。1日2回の使用が原則です。痒みがとびくなったら、1日3〜4回に回数を増やし、落ち着いてきたら、回数を減らす。長期間使用している場合には、一挙に中止するとリバウンドを起こすこともありますので、徐々に回数を減らしたり、弱いステロイド剤に変更したりします。
 顔には、ロコイド程度の弱いステロイド剤(W群)を使用します。それ以外の場所には、リンデロンV等のV群を基本とし、年長児以降ではネリゾナやマイザーなどのU群を使用することもあります。
 ※ステロイド剤は強い方からT群からX群に分けられています。
 ※人差し指の第一関節の先の分くらいの量(0.5〜1.0g)を手の平1枚分に拡げて塗るのが基本です。ステロイド剤も、「けちり過ぎる」と効きません。

 Bプロトピック:ステロイド剤のような副作用はありません。最初は顔に使うと火照(ほて)る感じがしますが、次第に慣れていきます。顔以外では、ステロイド剤のような効果は期待できません。

4)内服薬:@抗ヒスタミン薬とA抗アレルギー薬があります。
 痒(かゆ)みがひどいと、ひっかき傷ができるだけでく、不眠や精神的にイライラして不安定となり、キレやすい子になります。また、眼の周囲を頻回に掻(か)く網膜剥離などを起こすことがあります。
 痒みに対しては、ポララミンやテルギンGなどの抗ヒスタミン薬やザジテンなどの
抗アレルギー薬を使用することもあります。

5)その他の工夫:@衣服の工夫、A爪切り、B痒みを和らげる工夫、C掻(か)かない工夫、Dアレルギー検査で原因を調べて、対策を立てる。
 @衣服の工夫:衣服、下着は刺激の少ない、吸湿の良い木綿(もめん)がお薦(すす)めです。汗をかいたら、なるべき着替える。縫い目が皮膚に当って、痒みが出ることがあるので、裏返しに着るのもいいでしょう。洗濯後は、すすぎをしっかりして、洗剤を落としましょう。漂白剤や柔軟剤がアトピーを悪化させることがあるので注意しましょう!
 A爪切り:とても初歩的なことですが、爪を短く切ることが重要です。さらに爪切りに付いているヤスリ、または紙ヤスリで爪の先を丸くすることをお薦めします。爪で皮膚を傷つけて、皮膚の細菌が皮膚炎を悪化させます。皮膚の細菌を減らす意味でも、石鹸を使った入浴が重要です。
 B痒みを和らげる工夫:痒みは体が暖まるとひどくなります。そのため、皮膚を冷やすのが効果的です。特にお風呂上がりは、痒みがましてしまいます。少しでも掻かないようにするために、「入浴時のお湯はぬるめで」、「室温は低めに設定」、「保冷剤で痒い所を冷やす」などの工夫をしましょう。
 C掻(か)かない工夫:掻けないようにし、掻いても皮膚を傷つけない方法もあります。手袋をする。肘に筒(つつ)をつけて、肘が曲がらないようにする。湿疹部分に包帯をする。夏でも長袖や長ズボンにする。服の袖(すで)や裾(すそ)を縛(しば)る。テーピングをする等です。
 Dアレルギー検査:乳児では食物アレルギーの有無を調べる検査、幼児以降ではハウスダスト、ダニや動物の毛などが原因のこともあり、検査で確認し、一緒に対策を立てましょう。
 ※湿疹がひどくなってジクジクしている場合:皮膚にいる細菌が、悪化させている可能性があります。石鹸できれいにすることが肝心です。よくならない場合には消毒し、抗生物質(=抗菌薬)を使用します。
 ※顔の面湿疹がひどい場合には、眼科医の診察を定期的に受ける必要があります。ステロイド剤を使用していなくても、眼周の湿疹をかきむしったり、叩いたりすることで、白内障(はくないしょう)、網膜裂孔(もうまくれっこう)、網膜剥離(もうまくはくり)などの眼病変を生じることがあるからです。 
食物アレルギー
 
食物アレルギーの有病率:神奈川県相模原市における約5,000人を対象とした乳児コホート調査において、
幼児期の食物アレルギーの有病率は5〜10%と推察される。
 問診、湿疹、下痢。、目の脹れ・かゆみ、皮膚のかゆみ、呼吸困難、アナフィラキシーなどの症状から疑いを持って血液検査なとで、
診断を確定していきます。
 我が国における食物アレルギーの三大原因は鶏卵(38.3%)、牛乳(!%>)%)、小麦(8.0%)である。甲殻類(6.2%)、果物類(6.0%)、ソバ(4.6%)、
魚類(4.4%)、ピーナッツ(2.8%)、魚卵(2.5%)、大豆(2.0%)、木の実類(1.9%)、肉類(1.8%)、野菜類(1.1%)、イカ・タコなどの軟体類(1.1%)と続く。
 自然経過(耐性獲得)について
食品名  経過年数と耐性獲得率 
牛乳  2歳までに28%、4歳までに56%、6歳までに78%が耐性を獲得。多くの報告で、遅延型のほうが即時型よりも耐性化が早い。
鶏卵  3歳までに約40%、5歳までに約85%が耐性を獲得。 
小麦 4歳までに29%、8歳までに56%、12歳までに65%が耐性を獲得。
ピーナッツ Bockらは32名を2〜14年間経過を追い、1名も耐性を獲得できなかった。Hourihaneらは120名の18%が耐性獲得。
Vanderらは85名を5〜10年の経過観察を行いも4.7%の耐性化率を報告している。
大豆  3歳までに80%が耐性を獲得。
魚類  32名の耐性化率15.6%との報告がある。 
 
01)仮性アレルゲン
 
真のアレルギーではないが、多く摂取すると症状が出現することがある食品。 

  成  分  名  多 く 含 む 食 品
ヒスタミン ナス、ホウレンソウ、トマト、エノキダケ、鶏肉、牛肉、馬肉、サバ類、パン酵母、
ニシンの塩漬け、ドライソーセージ、キャベツの漬物
ヒスチジン チーズ(カマンベール、チェダー、パルメザンなど)、鹿肉、ピーナッツ、アボガド 
チラミン チーズ(カマンベール、ブ゜ルー、グリュイエール、チェダーなど) 、パン酵母、ニシンの塩漬け
フェニルチラミン チョコレート、チェダーチーズ、クリームチーズ 
セロトニン トマト、バナナ、キウイ、パイナップル
ドパミン 豆類、ナガイモ 
アセチルコリン ナス、トマト、タケノコ、サチイモ、ヤマイモ、クワイ、松茸、ソバ、ピーナッツ 
ノイリン サンマ、冷凍タラ、塩サケ
トリメチルアミンオキサイド カレイ、タラ、スズキ、タコ、アサリ、ハマグリ、エビ、カニ
02)卵アレルギーと除去食 
 治療の基本は除去食です。加熱により抗原性が低下することは、鶏卵アレルギー児に対する除去指導のうえで重要である。
鶏卵アレルギーは児の成長により寛解していく場合がが多いことから、耐性獲得のレベルを再評価しながらどこまで除去が必要か考えいく。
 必要に応じて、抗アレルギー剤を内服し、皮膚症状が強い場合には、抗ヒスタミン薬や副腎皮質ホルモン剤(ステロンド)を外用します。

強さのレベル 卵  を  使  っ  た  食  品
 4 生の卵:生卵、ウズラの卵、全卵マヨネーズ、一部のシャーベット、一部のホイップクリーム
 3 加熱した卵料理:ゆで卵、ウズラゆで卵、目玉焼き、オムレツ、卵焼き
生の卵黄を含む食品:アイスクリーム、マヨネーズ、ミルクセーキ
加熱した卵白が多い食品:プリン、卵スープ、茶碗蒸し、卵とじ、はんぺん
  加熱した卵を含む食品:ケーキ、カステラ、ビスケット、クッ、あわ雪、たまごボーロ、菓子パン、ホットケーキ、
 ドーナツ、どら焼き、てんぷら、フライ
つなぎに卵を含む食品:かまぼこ、ちくわ、ハム、ソーセージ、ラーメン、パスタ、マカロニ、一部のそば・うどん  
 1 全卵を微量に含む食品:食パン、天ぷら粉、めん類のつなぎ

注意)@鶏卵蛋白の1つにリゾチームがあるが、消炎酵素製剤の成分としてしは゛しば使用されている:総合漢方薬、ダーゼンなど。
    Aインフルエンザワクチン、麻疹・風疹ワクチンに微量に卵の成分が使用されている。アナフィラキシーを起こした子には注意する。
03)牛乳アレルギ除去食
 治療の基本は除去食です。鶏卵ほど加熱により抗原性が低下することはない。成長に伴い寛解する児が多いため、個人の除去レベルに
応じた指導が必要です。

 強さのレベル 牛  乳  を  使  っ  た  食  品
生の牛乳:牛乳、低脂肪乳、低温殺菌乳、ミルク、スキムミルク、ミルクココア、練乳
生牛乳を使用した食品:生クリーム、アイスクリーム、ミルクセーキ 
牛乳を多く含む食品:プリン、ババロア、ホットケーキミックス、シチュールウ、ホワイトソース、
 シチュー、グラタン、ピザ、チーズフォンデュ
乳製品:乳酸菌飲料、ヨーグルト、チーズ、バター 
加熱した牛乳を多く含む食品:ケーキ、菓子パン、チョコレート、カステラ、シャーベット、ドーナツ、キャラメル
つなぎにカゼインを使った食品:ハム、ソーセージ 
マーガリン・ショトニングを含む食品:マーガリン、ショトニング
加熱乳・バターが含まれる食品:食パン、ビスケット、クッキー

注意)ラックビーなどの薬にもカゼインが入っています。乳糖は多くの薬剤、特に錠剤で添加されている。 
04)小麦アレルギーと除去食  
 治療の基本は除去食です。鶏卵ほど加熱により抗原性が低下することはない。成長に伴い寛解する児が多いため、個人の除去レベルに
応じた指導が必要です。学童期以降には食物依存性運動誘発アナフィラキシーの原因抗原として頻度が高いものの1つにもなっている。

強さのレベル 小  麦  を  使  っ  た  食  品
  小麦を主成分とした食品:小麦粉、天ぷら、うどん、ラーメン、そば、パスタ、ピザ、フライ、ムニエル、パン、ぎょうざ、
 しゅうまい、中華まん、ビスケット・クッキー、カステラ、たいやき、まんじゅう、卵ボーロ、ホットケーキ、ケーキ、もなか、
 どらやき、もち麩・麩(ふ)、ハンバーガー、サンドイッチ
  小麦を小量使用した食品:ハム・ウィンナー、なると、ちくわ、かまぼこ、カレールウ、シチュールウ 
  調味料などの加工食品:しゅうゆ、味噌、酢 

注意)一部の薬には小麦胚芽油や小麦の記載が成分表示にみられるものがあるが、実際にはごく微量であり、
添付文書上は禁忌や注意喚起はされていない例がある(チョコラA錠、リンデロン散など)。(22.06.30)
05)エビ・カニアレルギー
 特定のエビのみでの発症例、エビ・カニ双方での発症例、エビ・カニ・タコ・イカでの発症例、甲殻類・軟体動物すべてでの発症例がある。
 ※エビ、カニ、シャコ、オキアミ、ザリガニ、ヤドカリ、フジツボ、カメノテなどは甲殻類と呼ばれている。一般に貝類とよばれるものを加え、カタツムリ、クリオネ、イカ、タコなどが軟体動物と呼ばれている。
 エビアレルギーからの臨床的交差反応性としてみると、カニ64.7%、シャコ21.4%、オキアミ26.7%、イカ17.5%、タコ20.3%となつている。
 症状:1時間以内に発症する即時型アレルギー症状が圧倒的に多い。接触蕁麻疹、蕁麻疹、皮膚の紅潮、皮膚の掻痒感などの皮膚症状、口腔違和感、咽頭違和感、口唇腫脹などの口腔アレルギー症候群、呼吸困難、喘鳴などの呼吸器症状、アナフィラキシーショックなどがみられる。
 診断:病歴が一番参考になる。採血やプリックテストなどを実施し、総合的に判断する。
 治療:対象抗原食材の除去が主たる治療法となる。2008年から新たに「エビ」、「カニ」が食品表示法において義務化された。
 経過:加齢とともに耐性獲得することはなく、症状の軽快をみることはないとされている。エビによる食物アレフィラキシーによる死亡例がある。

 
06)ソバアレルギー 
 ソバを食べる習慣のない沖縄ではソバアレルギーの罹患率が極端に低く、欧米ではソバアレルギーはほとんど見られない。
 ソバアレルギーの症状は、経口的(摂食)にも経気道的(ソバ粉の吸入、ソバ殻枕の使用)にもおこりうる。
症状としては、皮膚症状が最も多いが、呼吸器症状がほかの食品に比して高いのが特徴とされる。また、食物依存性運動誘発アナフィラキシーの原因物質の1つになる。
 診断は詳細な問診が最も重要である。血液検査で陽性でも症状がでない例がある。皮膚試験も参考にんるが、皮内テストはアナフィラキシーを起こした例が報告されており、原則プリックテストで行うべきある。負荷試験は、アナフィラキシーを起こした例や喘息を伴う例では禁忌である。
 現段階では、自然寛解はほぼ望めない。したがって治療としては、ソバの摂食・接触を避ける以外に方法がない。現在では食品に表示の義務づけがなされているが、食品の製造工程でソバが混じている可能性もあるので注意が必要である。
07)ピーナッツアレルギー
 頻度:食生活の違いによるのか、国によって差がある。アメリカ、カナダ、イギリスではかなりの報告がある。中国、デンマーク、ノルウェーではほとんどみられない。「ゆでる」「揚げる」といった比較的低い温度で調理される中国より、より高温の「煎(い)る」調理法の欧米のほうが多い。
 症状:経口摂取だけでなく、接触や吸入によっても症状が誘発される。
 診断:明らかなアレルギー症状を呈した例、ピーナツツ特異抗体が14UA/mL以上では負荷試験は行わない。
 治療:ピナッツ、ローストナッツ、ピーナッツバター、ピーナッツクリームなどは除去となります。店頭で販売されているサラダやサンドイッチ、スナック菓子なども隠し味として含まれていることもあり注意が必要です。ピーナッツは殻にもアレルゲン性があるので、豆まきに使用される際には、殻の微粉で症状がでる場合もあり、注意を要する。
 予後:加齢とともに耐性獲得することはなく、症状の軽快をみることは少ない(5%程度)。
08)大豆アレルギー
 治療:大豆、枝豆、きな粉、豆乳、納豆、油揚げ、大豆油などの除去が必要です。発酵食品の納豆、味噌、醤油、もやしなどは抗原性が弱くなっていますが、除去を要することもあります。共通アレルゲン性がありますが、他の豆類では症状が現れないことが多いため、豆類すべてを除去しなくてもよい場合が多い。
 代替え食品としては、麩(ふ)、餃子やシュウマイの皮などの小麦蛋白が挙げられます。動物性たんぱく質としては、
09)米アレルギー
 小麦アレルギーと比較してそれほど高頻度ではない。
 症状:ソバや小麦に比べると軽度であり、重篤なアナフィラキシーや喘息等も少ない。
 診断:遅延型が多いので、食物除去・負荷試験による症状の消失、再現が決め手になる。
 治療:米の除去。雑穀(アワ、ヒエ、キビ等)が代替食として使用されている。低アレルゲン米を使用する。低アレルゲン米としては、Aーカットごはん、AFTライス(JA全農)、ケアライス(ホリカワフーズ)なと゛が販売されている。低アレルゲン米は、雑穀に比べると価格が高いことが難点であるが、雑穀より抗原性がはるかに低く症状も出にくい継続使用も可能である。
 予後:他の抗原に比べると五大アレルゲンのなかでは症状も軽く予後もよい。多くの症例では、普通米を食べても徐々に症状が出なくなるし、継続して主食としても問題ない。
10)魚アレレギー
 日本の学校給食の調査では、サケ、マグロ、イワシ、サンマ、アジ、シシャモ、タラなどが多かった。
 症状:全身反応、喘息様反応、食物依存性運動誘発アナフィラキシーなとがある。典型的な反応の場合、通常食後数分から1時間の早い発症て゛、蕁麻疹、血管性浮腫、呼吸器症状、喉頭浮腫などの消化器外の反応を示す。また消化器症状としては、嘔気、腹痛、腹部疝痛、嘔吐、下痢などが生じるが、消化器外症状を伴うことが多い。
 診断:詳細な問診と食物日誌によって原因食物を探す。皮膚テスト、血液検査で原因食物を推定できたら、食物除去試験および負荷試験により確定診断を行う。アナフィラキシーを起こした症例では負荷試験は医師の監督下で行わなければならない。
 治療:基本は該当食品の除去食を実施する必要がある。魚アレルギーの人では、複数に反応する可能性は2/3と比較的高い。魚類では推奨品目にイクラ、サケ、サバが含まれているもののこれ以外の魚種には表示義務はない。
 予後:魚のアレルギーは耐性が生じにくいと言われている。魚アレルギーの耐性獲得に関する報告はほとんどない。
 
11)花粉症 薬で先手 23.02.03の朝日新聞
 花粉症の季節がやってきた。今年の花粉の飛散量は、地域によっては昨年の10倍以上といわれる。本番直前のいま、鼻の粘膜を焼くレーザー治療や体質を変えるような治療はもう遅いかも。間に合うのは薬物治療だが、薬の進歩もあり、適切に使えば、症状が随分とおさえられようになってきた(内山美木)。
 財団法人気象業務支援センターの村山貢司さんによると、今年の飛散量は過去10年間の平均と比べても1.5〜2倍と予測される。
 「大量飛散の年は多くの人が花粉症になるといわれる。新たな発症者が増えるでしょう」
 花粉症の主な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみだ。目のかゆみや、さらっとした鼻水が続くことがポイントとなる。
 専門医がまとめた「鼻アレルギー診療ガイドライン(2009年版)」では「初期療法」が勧められている。初期療法では花粉が飛び始める前から予防的に薬を使う療法だ。症状が出るのを遅らせ、重症化を防ぐとされる。
 東京都厚生年金病院耳鼻咽喉科の石井正則部長によると、飛散が始まる予測日の1〜2週間前から、医療機関を受診し、薬の処方を受けて内服するのが一般的だ。公的医療保険の適用が受けられる。
 薬は、「第2世代」と呼ばれるタイプの抗ヒスタミン薬が広く飲まれる。市販品に多い第一世代と比べ、眠気や口の渇きなどの副作用が少ない。
 軽症なら1種類の薬ですむこともある。だが大量の飛散が予測される今年、石井さんは「多くの人に薬の併用が必要になるのでは」とみる。
 症状が強い場合、鼻に吹き付けるタイプのステロイド薬をよく使う。副作用は少ないという。鼻づまりがひどければ「抗ロイコトリエン薬(オノンなど)」を加えることもある。
 重症だと、短期間、内服のステロイド薬を使う。鼻づまりが特にひどい人には点鼻用の血管収縮薬も検討される。
 「症状に合わせ、薬をうまく組み合わせられるか。今年はそれが特に重要になる」
 福井大耳鼻咽喉科の藤枝重治教授は「飛散が終わるまで薬を飲み続けることも大切。よくなったと自己判断で服用をやめると悪化する恐れがある」と助言する。 
12)花粉症  23.02.05
 花粉症は樹木や草花の花粉のアレルギーです。特に毎年二月、三月のスギ花粉症は有名で、くしゃみ、涙目、眼の痒みなどの症状がでます。スギ花粉症の患者数は昭和50年代に急増し、その後も増え続け現在全人口の25%以上の人が悩まされています。
 スギ花粉症の増加原因として花粉を飛ばすスギの木が増えたことや大気汚染などが指摘されています。花粉の飛散量は毎年違いますが、気象条件に関連があり前年夏の降水量が少なく日照時間が長いと花粉を作る雄花が増え飛散量が増加します。
 花粉症は一度かかると自然に治ることは難しく、ほとんどの人が毎年予防、治療が必要になります。予防には、花粉が鼻や眼につかないよう、外出時はメガネ、マスクの着用が必要でさらに各地区の花粉情報を活用することも重要です。治療法には薬物療法、免疫療法、手術などがありますが、花粉飛散の時期は薬物療法が一般的で抗ヒスタミン薬は使用頻度が高く、眠気などの副作用も以前より少なくなっています。薬には他にも多くの内服薬やスプレーなとがあります。
 最近では花粉が飛び始める前から内服治療を開始する治療が有効とされ、勧めらています。
(長崎市・高村耳鼻咽喉科 高村 博光:健康一口メモ(24)長崎県保険医協会)