インフルエンザ
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新型インフルエンザ診療ガイドライン 24.01.1 
1
)ガイドラインが目指したもの

 2009年の新型インフルエンザの診療ガイドラインは世界各国ある。
被害を最小に抑えた国のガイドラインが参考になるが、世界の主要国ではわが国の被害が最も少なかった。2010年の上半期までの死亡者数は被害最大の米国が約1万2,000名、わが国は約200名であり、人口比で補正しても、わが国の被害は米国の1/25前後である。その違いには、抗インフルエンザ薬の早期投与開始が可能なわが国の充実した保険医療体制と、インフルエンザ診療に対する医療者と国民の深い理解が関与しているが、抗インフルエンザ薬の広範な早期投与がとりわけ重要である。

2)ガイドラインが目指したもの
 インフルエンザを疑う症状を票1に示す。

 票1:インフルエンザ迅速抗原検査陰性例への対処
     ウィルス感染症    細菌感染症
     普通感冒  インフルエンザ  
臨床症状 発症 緩徐  急激 通常は緩徐
症状分布 局所的 全身的  全身的〜局所的
  発熱 通常は微熱  高熱 微熱〜高熱
せき  軽度〜高度  通常は軽度 軽度〜高度 
痰  白色・粘液性 白色・粘液性 黄色・膿性
咽頭痛 多い 少ない 少ない 
  悪寒 少ない 高度  あり
  倦怠感  少ない 高度 あり
筋肉痛 少ない あり 少ない 
臨床検査 白血球数 正常〜減少  正常〜減少   増加
  好中球数 正常〜減少   正常〜減少   増加
  リンパ球  相対的増加 相対的増加 相対的減少 
  CRP  陰性〜軽度上昇 陰性〜軽度上昇 中等度〜高度上昇

a)普通感冒で・・疫学的「証拠なし」⇒対症療法、
 「証拠あり」抗インフルエンザ薬を積極的に考慮
b)臨床的にインフルエンザが疑われ、
 「他の疾患は否定的」
抗インフルエンザ薬を積極的に考慮
c)細菌感染が疑われ・・疫学的「証拠あり」抗インフルエンザ薬を積極的に考慮
 「証拠なし」⇒抗菌薬投与

 インフルエンザの診断には、種々の問題がある。
1)抗体価の有意上昇を確認する血清診断法は、回復期の血清も使うため迅速性がない。
2)気道系検体に用いるPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)検査は感度が高くて有用性があるが、多くの施設では外注のために時間を要して迅速性はない。
3)最近普及している酵素免疫法を中心とする迅速抗原検査法は簡便であり、現在最も重要な病原診断法となっているが、感度が十分ではない。事実、新型インフルエンザにおける迅速診断キットの感度は40〜70%程度という報告が多いので、宿主の体内でウィルスが盛んに増殖している発症48時間以内に検査する。48時間以後には体内のウィルスが減少しはじめ、陽性率は低下する。発症後12時間以内の早期にも陽性率は低い。
 インフルエンザが疑われる患者で、迅速抗原検査が陰性の場合の診断の進め方を図1に示した。すなわち、もう一度、症状・所見をチェックし、疫学情報を参考にするが、インフルエンザを否定できない場合にはインフルエンザ疑いとして、治療開始を前向きに考えるべきである。

3)新型を含むインフルエンザ治療の考え方
 インフルエンザ感染症の根本的な治療法は、抗インフルエンザ薬を発症後48時間以内に投与開始するすることである。季節性インフルエンザの場合と同様に、新型インフルエンザでも抗インフルエンザ薬の投与の有無と、とりわけ発症後48時間以内の投与開始が、重症化ならびに死亡を有意に抑えた、とする報告が多い。なお、投与開始が発症後48時間を過ぎてからでも一定の効果は得られるので、病態と重症度に応じて投与開始を考慮すべきである。

4)抗インフルエンザ薬の使用指針のポイント新
 A群:入院治療が必要
 予後不良リスク因子(1つ以上)・・昇圧剤を要する、人工呼吸を要する、呼吸状態が不良、
 心不全を併発している、精神神経症状や意識障害を認める、重大な臓器障害を認める、
 著しい脱水症を認める
 ⇒タミフルの経口か、ペラミビルの注射
 ※肺炎の有無⇒あり(タミフルの経口か、ペラミビルの注射)、
          ⇒なし(タミフルの経口か、ペラミビルの注射、リレンザの吸入、イナビルの吸入)
 B群:外来治療の適応
  タミフルの経口か、ペラミビルの注射、リレンザの吸入、イナビルの吸入

(日医雑誌 第140巻・第8号/平成23年11月GU82-84) 
新型インフルエンザの妊婦は死産、早産のリスクが高い (24.01.1)
 
英国全域においてで、2009年9月1日〜10年1月31日に2009/H1N1に感染し入院した妊婦256人を感染コホートとして追跡調査が行われた。そして、2005年2月〜06年2月に病院で出産した1,220人を対照コホートとしてね妊娠の帰結としての児の死産や周産期死亡および早産について感染コホートとの比較が行われた。感染コホートでは死産、周産期死亡および早産のリスクが有意に高かった。
 なお、感染コホートの妊婦のうち2009H1N1に対するワクチン接種を受けていた割合はわずか5%であり、英国における一般の妊婦ワクチン接種割合である65%よりも極端に低かった。米国でも同様な感染して入院した妊婦の7%しか接種していなかったという報告がある。一般の妊婦の接種割合である47%よりも著しく低かったと報告されている。
 これらの調査結果から、妊婦のインフルエンザ罹患の予防にはワクチン接種が有効であり、また本研究での知見から、生まれてくる子のためにもワクチン接種が推奨されるべきであると考えられる。妊娠適齢期の女性に対しては、普段からインフルエンザ感染の影響について保健衛生上の教育を行い、今後のインフルエンザ流行時には妊婦が確実にワクチン接種を受ける体制を取っておくことが求められる。
(MMJ december 2011 vol.7 No4p186-187) 
 
インフルエンザワクチン接種後のアナフィラキシー"化血研"について (24.01.1)
 今シーズンは、インフルエンザHAワクチン"化血研"TF接種後にアナフィラキシー関連の副反応を呈した症例が例年より多い(特に10歳未満)。
 2011年10月1日から12月5日までに、本剤との関連が否定できないアナフィラキシー関連の副反応が26例(うち重篤17例)報告されています。
 医療機関等への出荷数量から算定した最大推定接種回数における頻度は、61万接種当たり1症例程度ですが、報告数としては2009年度の9例、2010年度の10例と比較して多くなっています。
 現在、今シーズンにおけるアナフィラキシー様症状の報告が多い要因を確認中ですが、現在までの情報では特定のロットに集中してアナフィラキシー関連の副反応が発現している傾向は認められていません。
 表1:今シーズンを含む直近3年間のアナフィラキシー関連の副反応報告状況
年度 2009年 2010年 2011年
報告数 9例  10例  26例 

表2:報告された各症例のリスト
No  年代 重篤度 転帰 
 1 10歳未満 重篤  回復
 2 10歳未満  重篤   回復 
 3 10歳未満  重篤  軽快 
 4 10歳未満  重篤   回復 
 5 10歳未満  非重篤 回復 
 6 10歳未満 非重篤  回復 
 7 10歳未満  重篤   回復 
 8 10歳未満  重篤  回復 
9 10歳未満 重篤   回復 
 10 50歳代  重篤   回復 
 11 10歳未満 重篤   回復 
 12 20歳代  非重篤 調査中
 13 10歳未満  重篤   回復 
 14 10歳未満 重篤  回復 
 15 10歳未満  非重篤 軽快 
 16 60歳代 重篤   回復 
 17 10歳未満  重篤   軽快 
 18 10歳未満 非重篤  回復 
 19 10歳未満  重篤   回復
 20 10歳未満 非重篤  回復 
 21 調査中  非重篤  調査中
 22 10歳未満  重篤   回復 
 23 10歳未満 重篤   軽快 
 24 20歳代  重篤   軽快 
 25 10歳未満  非重篤 軽快 
 26 10歳未満  非重篤  回復 

★ご留意いただきたい内容
1)接種後30分程度は、被接種者の状態を十分に観察して下さい。
2)アフナッイラキシーと思われる症状が認められた場合には、適切な処置を行って下さい。
3)接種後に異常が認められた場合には、速やかに医師に連絡し、診察を受けるよう被接種者・保護者の方にお伝え下さい。 
<要旨>
原因
:季節性インフルエンザ【インフルエンザウィルスA型(香港型・ソ連型)、B型】と新型インフルエンザ(豚型)が人間に感染する。昨年度から豚型は季節性インフルエンザに編入されました。A型のソ連型の流行は最近は、確認されていない。季節性インフルエンザにはC型もあるが、軽症なためあまり問題にならない。
症状:発熱、全身倦怠感、頭痛など他の感冒症状と同じだが、かなりきつい。中には、ほとんど無症状の人(不顕性感染)も5%程度みられる。
 無症状であっても、感染源にはなりうるので注意が必要です。
診断:インフルエンザの迅速診断キットが大変有用である。検査のタイミングが早すぎると陰性になり、再検査が必要なことが多い。
 微熱や発熱初期には、陽性になる割合が低いので、発熱後8時間から12時間以上経過してから検査することが多い。
合併症:熱性けいれん、急性中耳炎、急性気管支炎・肺炎、急性胃腸炎、脳炎・脳症、
 心筋炎等を合併する。異常行動や異常言動のみられる。新型の方が季節性よりいくらか重症で、肺炎や脳症の合併率が高い。
 また、小児では喘息などの基礎疾患を有する子どもが合併症をより起こしやすい。
治療:季節性インフルエンザ、新型インフルエンザ共にタミフル(ドライシロップとカプセル)とリレンザが有効である。
 発症後早期に48時間以内の使用がより効果的である。注射製剤(ペラミビル)は平成22年春から既に使用されており、
新しい吸入薬(イナビル)が平成22年からは使用できます。イナビルは使用法が難しいので、10未満はリレンザの方が無難。
予防:インフルエンザA型(香港型+豚型=新型)、B型の混合ワクチンが主流です。ソ連型は除かれました。接種期間は毎年10月1日〜2月28日までがお勧め期間ですが、12月までに受けるのがコツです。
 6カ月から13歳未満は2回、13以上は1回です。効果の持続時間は3〜5カ月と言われています。
 接種量は平成23年度からは、世界標準にそって、6カ月〜3歳未満は1回0.25ml、3歳以上は1回0.5mlに変更されます。量を増やしても、重篤な副反応は増えない言われています。今までの注射で肘を超えて腫れるような人は要注意なので、事前に医師と相談しましょう。  
@インフルエンザを疑う症状 平成23年01月14日更新
 インフルエンザに特有の症状はありません。以下のようなことがあれば、インフルエンザかも知れないと思って医療機関を受診しましょう。
1)臨床症状
(1)発熱:無熱や微熱のこともありますが、38〜40℃を超える高熱が出ます。高熱が1日中続くこともありますし、朝が高熱、昼平熱、夕方から再び高熱となることもあります。
 発熱してすぐに検査しても、インフルエンザと診断できないことが大多数です。呼吸困難、非常にきつい(だるい、全身倦怠感)、異常行動や異常言動が目立つ等がない場合には、1日くらい経過してから医療機関を受診してねらった方がいろんな意味で「効果的」です。
(2)倦怠感:少し体がきついだけの時もありますが、体がだるして寝てられない。食欲が全くない。トイレにも行けない等といこうもあります。
(3)関節痛と筋肉痛:普通の風邪に比べて、腰痛や下肢の筋肉痛が目立つようです。
(4)吐気と嘔吐:他の風邪でもみられますが、新型インフルエンザの方が季節性インフルエンザよりは高頻度と言われています。頻回に吐いて、下痢や腹痛を伴う場合には、早めに受診しましょう。
 OS-1やソリタT2顆粒の方がポカリスエットやアクエリアスより塩分濃度が高いので、吸収されやすいと言われています。
(5)けいれん:熱性もよく起こします。他に髄膜炎や脳炎・脳症始まりののこともあります。

2)周囲の状況
 保育園、幼稚園、学校のクラス、家族、登下校仲間、部活仲間や職場等にインフルエンザに罹った人が数人以上いる場合。
潜伏期間は2〜4日、長くみて発症前〜発病後7日間です。その間にインフルエンザ患者に接触があった場合(インフルエンザ濃厚接触者)には、
インフルエンザに既に罹っている疑いがかなり濃厚です。
 発熱したたげで、夜間緊急に医療機関を受診する必要はありません。解熱剤がないとか、ポンタールやボルタレン坐薬しか持っていない場合((これらを使用すると子どもでは脳炎・脳症に罹りやすくなる)には、夜間で診察します。
 インフルエンザの流行期には、どの医師にも疲労が蓄積しています。できるだけ夜間・休日受診を控えましょう。時間外や休日診療は本来緊急性の高い人のためにもうけられた制度でずか、昨今の権利意識のせいで、誰でも・いつでも・最高の医療が受けられるのが当然という風潮がふります(コンビニ医療)。「権利」は重要ですが、医療崩壊を招かないための1人一人ができる「義務もある」と私は思います。

☆まとめると、発熱からの時間がある程度経過している(発熱直後より半日、できれば1日経過してから検査を受ける方がよい)、体のきつさだるさが「いつもの風邪」と違う、周囲でインフルエンザが流行している。このような場合には、インフルエンザを疑って医療機関を受診して下さい。

 ※検査の必要性は医師に任せて下さい。学校、保育園や幼稚園のために検査するものではなく、検査も結構つらいものです。本当に必要な人のため、必要な時のために検査キットを大切しましょう。以前も検査キットが不足したことがあります。
Aインフルンザの検査 平成23年01月14日更新
<検査を受ける前に>
1)周囲の状況からインフルエンザが強く疑われる場合:検査しないで、すぐ治療を開始することをお勧めします。
 兄弟、家族や仲の良い友達がインフルエンザに罹ったばかりで、本人も発熱し、体がなんとなくだるくなってきた等。
2)検査の必要性:学校、幼稚園や保育園から検査を勧められても、私は必要性が全くない場合には、検査しません。
 決して学校、幼稚園や保育園のため検査にする訳ではありません!
3)説明と同意:説明を読んで、聞いて、納得してから検査を受けて下さい。

<検査が陽性の時の判断>
1)病気の場合:早期の陽性率は1〜20%以下。
 6〜48時間経過しても約80%です。何時間待っても陽性率は100%にはなりません。
2)擬陽性:病気でないのに陽性に出ることがありす。1)と2)は迅速診断キットだけでは区別できません。臨床症状で判断するのが普通です。抗体検査やウィルス培養とい方法もありますが、時間と費用がかかるので、一般的ではありません。
 擬陽性の頻度は5%程度と報告されています。臨床的にも区別できない場合には、そののま陽性として治療します。
3)季節性と新型との区別:迅速診断キットでは区別できません。抗体やウィルス培養では区別できます。タミフル、リレンザやイナビルなどの治療薬はどちらにも効くのが、臨床的には区別の必要はありません。
 ※ただし、シメントレルは季節性に効きますが、新型には無効です。
4)判定までの時間:通常は8〜15分で陽性か陰性かの判定をします。早く陽性と分かれば、その時点で治療、合併症や異常行動・異常言動などについて説明します。
 ※中には15分過ぎてから「陽性」と出ることもあります。

<検査が陰性の時の判断>
1)病気がひどくない場合:検査のタイミングが早すぎると1回目の検査が陰性と出て、2回目の検査で陽性な場合もあります。検査のタイミングとしは、発熱から6時間以上できれば、半日〜24時間あけた方がよい。
☆2回目の検査をする時の欠点
 (1)痛いので、2回目の検査を非常に嫌がることが多い。
 (2)検査キットが不足するので、必要な時に検査を受けられない人が出ることがある。
 (3)無用な検査のために、無意識だが、医療費を上げてしまっている。
2)インフルエンザでない場合:突発性発疹、急性扁桃炎、肺炎、川崎病、麻疹やアデノウィルス感染症等でも高熱が続きます。必要な場合には、区別のための外来検査や入院の上の精密検査が必要な場合もあります。
3擬陰性:検査では陰性だか、臨床的にはインフルエンザと判定する場合。抗体検査やウィルス培養で確認する方法もあるが、一般的ではない。
 高熱のためにもうろうとしている、筋肉痛がひどい、体が非常にだるい、食欲が全然ない等。周囲の状況と本人の臨床症状で「インフルエンザ」と判定した場合には、治療をお勧めします。

※補足)
 1)鼻からの検査なので、鼻血を出すことがあります。ティシュを詰めて、圧迫すると止まります。
 2)検査自体、結構痛いものです。寿司のワサビが鼻にツーンとくるのに似ていると表現する人もいます。
 3)検査は何度も繰り返せないので、熱があっても元気な人は6時間以上、できましたら、半日から1日様子を自宅で様子を見ましょう。
Bインフルンザの治療薬 23.01.19
★以下の薬は季節性インフルエンザ(A型、B型)と 新型(豚型)にも有効です。
☆以前に、タミフルと異常行動の関係がとりざたされましたが、異常行動は、インフルエンザに罹っただけでも見られます。
 タミフル以外の薬を使用していても見られますので、要注意!


※シンメトレルは季節性のA型のみにしか効かないので、ほとんど使用されなくなりました。

1)タミフルドライシロップ(内服薬
)
・・1歳以上に適応あり。1回体重当り2mgを朝・夕食後に内服する。これを5日間続ける。
 インフルエンザウィルスをやっつけて、耐性ウィルスを増やさないためでもあるので、症状が軽快したからといって途中で勝手に中止してはいけません。
※1歳未満の場合には、副反応が出やすいので、原則禁止。ただし、副作用より利益の方が多いと医師が判断する場合には使用可能です。
 大人だったら、1回2.5gを朝・夕2回(1日5g)を5日間となります。体重20kgの子だったら、1回1.3gをを朝・夕2回(1日2.6g)を5日間となります。
※タミフルには少し苦みがあります。そのため、牛乳、ヨーグルト、チョコレート、バニラアイスなどに混ぜて与えてみて下さい。
 また、チョコレートをいったん溶かし、タミフルドライシロップの一回分ずつと混ぜて冷凍で固まらせから食べさせる方法もあります。
2)タミフルカプセル(内服薬)・・体重35kg以上の子どもや成人が対象。1回1カプセルを1日2回朝・夕食後に内服する。これを5日間続けます。
3)リレンザ(吸入薬)・・1回2吸入を1日2回、5日間続けます。吸入薬なので、小学生くらいからは使用できると思います。
内服が得意でない子には、5〜6歳でも練習器具で試してみる方法もあります。
4)イナビル(吸入薬)・・平成22年の10月頃から使用可能になりました。1回だけで治療が完結するのが一番の利点です。
治療費も他の薬と比べると、やや高価です(表1)。
※以下のような問題点もあります。
 1)息止めができなくてボトルの中に息を吹き込むと、中の薬を吹き出してしまう。
 2)吸う孔が小さいので、かなりの陰圧(吸う力)が必要。例えれば、細いストローで水を飲むようなもの。太いストローなら小さい子ではできるが、細いストローで吸うのは難しい。
 3)吸入が終了したボトルを分解してみると、大人でもかなり残薬がある。子どもでは、5〜6歳くらいの小さい子では上手に吸えていないことがわかります。
 よって、10歳前後でないと上手にできないと思われます。
5)ラピアクタ(注射製剤)・・抗インフルエンザ薬の内服や吸入ができない人や、より重症者に使えます。平成22年春より使用可能となっています。小児にも2010年10月から使用可能。生後4カ月から!

                    薬 の 見 本
薬 の 見 本
 
タミフルドライシロップ   タミフルカプセル  リレンザ
   
 イナビル  ラピアクタ  
       
       表1:抗インフルエンザ薬の薬価の比較

薬   品   名 薬代総額 3割 安さ 難易度
タミフルドライシロップ 1日5.0gを5日分  5,930円  1,779円 易しい
タミフルドライシロップ 1日2.6gを5日分  3,084円 925円 易しい
タミフルカプセル           5日分  3,091円  927円 易しい
リレンザ                 5日分  3,374円  1,012円 やや難
イナビル1キット(10歳未満)  1回分  2,080円  624円  1 難しい
イナビル2キット(10歳以上) 1回分  4,161円 1,248円 やや難
Cインフルエンザの注意点 23.01.21
1)合併症

 熱性けいれん、急性気管支炎、急性胃腸炎、急性中耳炎などがよくみられます。
その他に、筋痛症、肺炎、心筋炎、脳炎・脳症やライ症候群など命にかかわる重篤な合併症を引き起こします。くれぐれもインフルエンザを甘くみてはいけません!
 反対に熱性けいれんを見たら、冬場だったら、インフルエンザを疑ってすぐ検査すべきです。異常行動や異常言動がみられたら、すぐ医療機関にご相談下さい。
2)インフルエンザと診断されたら、すぐすべきこと!
 a)登園・登校禁止:職場、学校、保育園、幼稚園などにインフルエンザのために「しばらく行けない」と報告する。
 b)以下の標準予防策を実施する。
 c)指定された治療薬をきちんと最後まで使用しましょう。
 d)指定の再診日には、必ず受診しましょう。
3)標準予防策

 a)マスク:2〜3歳以上の子には着用させる。周囲の者もできるだけマスクをして、
感染者から2m以上離れる。患者がマスクをするとインフルエンザをうつしにくくなり、周囲の人がマスクすると周囲の人もインフルエンザにより罹りにくくなります。
 b)隔離:祖父母宅に預けるなど。食事やテレビなども別々の部屋でする方がより良い。1歳未満児、受験生、妊婦、65歳の人や基礎疾患のある人にできるだけ感染させないようにする。
 c)手洗い:咳やくしゃみでインフルエンザウィルスが手に付くので、接触感染を減らすためにも、こまめに手を洗いましょう。
 d)うがい:確実な予防法ではないが、試みても良い方法だと私は思います。
4)その他の方法

 a)加湿:インフルエンザウィルスは高温・多湿に弱いので、加湿しましょう。
 b)カテキン:お茶、紅茶やカテキン入り飴などに含まれるカテキンがインフルエンザウィルスに効きます。うがい、お茶や紅茶わいつもより多めに飲んでみましょう。
5)インフルエンザの経過
 a)順調な場合2〜3日以内に解熱します。1日解熱していれば、入浴可能。
 指定された再診日に受診しましょう。勝手な自己判断は止めて医師の指示に従った下さい。

 まる2日間解熱していて、医師の許可が出れば、登園・登校・出社できます。
 この根拠は、「学校保健法」に基づいています。

※最近、「保育所における感染症対策ガイドライン」が厚生省から出ています。
 インターネットで「保育所における感染症対策ガイドライン」で検索できますが、かなりのページ数があります。

 それによると、解熱後三日間は自宅安静となっています。
 
今後は保育園や幼稚園は、「保育所における感染症対策ガイドライン」が根拠となると思われます。
 
 b)合併症や異常行動・異常言動が見られる場合:注意深い経過観察や入院治療が必要な場合が増えますので、こまめに医師に相談しましょう。
 ※高熱時やインフルエンザに罹っただけでも異常行動や異常言動は見られます。
タミフルだけでなく、他の抗インフルエンザ薬使用中にも見られます。
Dインフルエンザに伴う異常行動・異常言動 23.01.22 
※異常行動や異常言動については、以下のように分類されています。
A)事故につながったり、他人に危害を与える可能性がある異常行動
@自分が知らないうちに、靴を履いて外に出ていた。外に飛び出し、小川に飛び込もうとした。高い所から飛び降りようとした。
A夜間に、包丁を持って母親を襲おうとした。

B)幻視・幻覚・感覚の混乱
@存在しないものが見えている様子:ついていないテレビを見て、「猫が来る」「お花が見える」。
A居るはずがない家族、親戚、友人や知人等が居ると言う。
B目の前にある物が見えない様子:側にいるのに、「ママ近くに来て」と話す。
Cよく知っている人を間違える:父親を「お姉ちゃん」と言う。
D身体の感覚が正しく認識できない:突然、「回る回るよ」と叫ぶ。
E自分のいる状況が把握できない:病院に行く準備をしているのに、公園に行くと言う。

C)うわごと・歌を唄う・無意味な動き
@状況にそぐわない言葉を言う:知っている単語を意味なく繰り返す。
A普段と違う不自然な話し方をする:大人の敬語を使い、「〜でございます」と言う。
B話す内容がばらばらでで、筋道が通った会話ができない。
C話そうとすると、言葉が出ない:お母さんと言えず、「あーうー」と奇声を上げる。
D大声で叫ぶ、奇声を上げる。
E突然、歌を唄う。おかしな唄い方をする。
F無意味な動きをする:舌を何度も出す。おかしなしぐさを繰り返す。

D)おびえ・恐怖・怒る・泣きだす・笑う・無表情・無反応
@理由もなく怯える:「こわい」と叫ぶ。
A何でもないものに怯える:窓ガラスにうつる「ささいなもの」に怯える。
B異常に怖がる:医師、看護師や知らない人を怖がる。ひきこもり。怖そうにガタガタ震える。
C理由もなく泣く、泣き叫ぶ、泣きわめく。
D理由もなく怒る、暴れる:押え切れないほどの力で暴れる。
E理由もなく笑う、ニヤリと笑う、高笑い:甲高い声でわめきだす。
F無表情、無反応:喜怒哀楽の表情がない。反応が鈍い。視点が定まらない。

E)何でも口に入れてしまう
@何でも口に入れてしまう:自分の指を、「ハムだ」と言いかじる。点滴の添え木をしゃぶる。
A上記以外何でも口に入れてしまうような異常行動。 
☆急性胃腸炎の時の水分補給:
 インフルエンザウィルス、ロタウィルス、アデノウィルスや細菌感染が原因の水分補給には、ポカリスエットやアクエリスアスより糖分が少なく塩分多く含まれるOS-1やソリタの顆粒がお勧めです!
A)水分補給
1)OS-1:第一薬局、健康堂、ドラッグストア森、コスモス等でも販売しています。
 ボトルタイプが200ml(140円くらい)、500ml(200円くらい)、ゼリータイプは200mlが140円くらいです。保険はききません。
2)ソリタT2顆粒:1包を100mlの水で溶かして飲みます。味はポカリスェットに似ています。保険がききますので、2〜3割負担で済みます。
 そのため、他のスポーツ飲料よりも安くなります。一度お試し下さい。
B)吐気止めの薬
 ナウゼリンドライシロップ、ナウゼリン錠、ペリンペラン注射液などがあります。
 ※ただし、副作用がでやすいので、1歳未満では使用できません。 
Eインフルエンザのトピックス 23.01.29
A)ワクチン

 ○皮下注射ワクチンと経鼻生ワクチンが開発中です。
 ○アメリカでも対象年齢を拡大し、生後6カ月以上の全ての人となった。

B)治療薬
 ○注射製剤のラピアクタが生後4カ月以上の小児にも使えるようになった。
   主に重症者に使用する。
 ○イナビルやリレンザは肺炎などがあると吸入薬なので効果が落ちる。
 ○リレンザを使用すると気道の過敏性が高まり、喘息発作を起こすことがある。
 ○新薬:富山化学より、今までの抗インフルエンザ薬と作用機序が異なる新薬(T-705)が今後発売予定。第V相臨床試験まで終了している。
 ○耐性ウィルス:タミフルの方がリレンザに比べて耐性率がやや高く、約1%程度。
  B型インフルエンザウィルスの耐性ウィルスは発見されていない。
  A型(新型)のタミフル耐性ウィルスも既に発見されている。
  予防投薬や中途半端な治療が耐性ウィルスを増やしていると思われる。

C)検査 
 ○季節性と新型を簡単に区別できる検査キット(クイックチェサー)がある。
   同時にB型どうかは調べられません。保険適応なく、現在は自費!
 ○検査の陽性率:5〜6時間以内の陽性率は低く、B型はA型よりも低い。
   1日以内の陽性率は70〜80%程度で、1日経過しても90%程度です。

F保育園における感染症対策ガイドライン 23.01.29
 病名 登園の目安 
インフルエンザ  解熱後3日を経過してから 
水ぼうそう・帯状疱疹  全ての発疹が痂皮化してから
おたふくかぜ  耳下腺の腫脹が消失してから 
プール熱 主な症状が消え2日経過してから 
流行性角結膜炎  結膜炎の症状が消失してから 
溶連菌感染症  抗菌薬内服後24時間経過してから 
手足口病・ヘルパンギーナ
発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、
普段の食事がとれること 
感染性胃腸炎
嘔吐・下痢などの症状が治まり、
普段の食事がとれること
マイコプラズマ肺炎 発熱や激しい咳が治まってから
りんご病  全身状態が良いこと
RSウィルス感染症 呼吸器症状が消失し、全身状態が良いこと 
突発性発疹  解熱し、機嫌がよく全身状態が良いこと
とびひ
皮疹が乾燥しているか、
湿潤部位が覆る程度のものであること 
水いぼ
 
掻きこわし傷から、浸出液が出ている時は
被覆すること
頭じらみ  駆除を開始していること 
ヘルペス口内炎 
発熱なく、よだれが止まり、
普段の食事ができること 
麻疹  解熱後3日経過してから 
風疹  発疹が消失してから 
結核 感染のおそれがなくなってから 
百日咳 
特有の咳が消失し、
全身状態が良好であること 
腸管出血性大腸菌感染症
 
症状が治まり、かつ、抗菌薬による治療が終了し、 
48時間をあけて2回連続の検便が陰性であること
 ※保育園における感染症対策ガイドラインは、インターネットでも検索できます。
 
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