季節のしつらい 和みの歳時記 (縮緬つるしコレクション) インペリアル・エンタープライズ株式会社

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一月 お正月
 すべてが晴れ晴れとして、空気まてが澄んでいるように感じられる新年。お正月は家に歳神様をお迎えし祝う、日本最古ともいわれる大切な年中行事です。
 歳神様は年が明けるとそれぞれの家にやってきて、一年の家内安全と繁栄を約束してくれる神様です。門松やしめ飾り、鏡餅を飾ったりするのは、そんなありがたい神様を心からお迎えするための準備です。お飾りはお迎えした神様をお正月の間、留まっていただくための大切な役割もあるため、玄関だけでなく、家を囲むように飾ると良いともいわれます。
 一月は鏡餅を置き飾りに、お正月の縁起物をつるし飾りにした、おめでたいあつらえ。鏡餅には長寿の象徴である伊勢エビが豪華に飾られて、代々家族が続くという語呂合わせの橙(だいだい)がてっぺんに置かれます。串にさした干し柿は六個で、「仲睦まじく」の意味が込められました。神様にお供えした鏡餅は、鏡開きの日に雑煮や汁粉にしていただくことで、神様からの力を授かるといわれます。
 つるし飾りには、門松、鯛の羽子板、獅子頭を被る子どもなどが愛らしく表現されています。眺めていると童心にかえり、指折り数えて待った、お正月を迎える喜びが甦(よみがえ)ってくるようです。目にすれば心和(なご)み、訪れる人の歓声を集め話題を作る一月のお飾りで、新年をより華(はな)やかに楽しくお迎えください。 
二月  節分
 節分とは「節分かれ」ともいわれ、季節が始まる前日をさします。特に
立春前日の節分の行事だけが今に残っているのは、古くは立春が症月で、その前日が大晦日(おおみそか)にあたるため一年の厄を祓う日、という大切な意味が込められていたからです。
 「鬼は外、福は内」と言いながら豆をまき、病気や天災を鬼に見立てて追い出します。戸口に鰯(いわし)の頭(かしら)に柊(ひいらぎ)を刺したものを取り付けるのは、生臭さを嫌う鬼(厄)を近付けないようにするためだす。豆は鬼の象徴ともされていたため、食べることで鬼を退治する、という意味合いも込められていました。
 二月は節分をテーマに春を迎える喜びにあふれたお飾りです。梅の花に升に入った大豆、鰯の頭、魔除けの唐辛子。元気いっぱいの童(わらし)は、これから豆まきをするのでしょうか。福の象徴、お多福のお面と、鬼の面をそれぞれ持って、豆まきがまちきれないような表情です。春を告げる鶯(うぐいす)が置き飾りにあしらわれ、"ホーホケキョ"と心地良い鳴き声が聞こえてきそうです。
 まだまだ寒さが厳しいですが、お部屋に春を呼び込むお飾りを眺めれば、温かな気持ちでひとときを過ごせることでしょう。
三月 雛祭り
 五節句のひとつ上巳(じょうし)の節句、雛祭り。「桃の節句」とも呼ばれるのは、旧暦では桃が咲く時期と重なるためです。雛祭りの起源ははっきりしないが、平安時代の中期には三月のはじめころ、人形(ひとがた)に自分の厄災を移して川に流す行事がありました。また貴族の子女は紙で作った人形で遊ぶ"ひいな遊び"が行われていました。こうした儀式や遊びが時が経つにつれて一体となり、現在の雛祭りになったのではないかといわれています。
 江戸時代中期には、女の子の誕生と健やかな成長を願う初節句の行事として、雛祭りは広く祝われるようになりました。江戸市中には雛市が各所にたって、多くの人で賑わったといいます。人形自体も内容が豪華になっていき、幕府は再三にわたって人形の華美を禁じるお触れを出したほどでした。
 三月のお飾りは気品ある可愛らしいお雛様でしつらえました。桃の花の前に、内裏様が仲睦まじくお揃いになっています。お二人のにこやかな表情がやさしげで、なんとも心和むお雛様。あでやかな花柄の傘から降りてくるつるし飾りも、1つ1つ春爛漫(らんまん)が薫(かお)り立つようです。空間に雅(みや)びな気韻(きいん)を漂わせるお飾りで、心に残る雛祭りをお迎え下さい。

四月 お花見
 ほころびはじめた花に心ときめき、お天気に一喜一憂しながら、散るまでの約二週間を桜の美しさに心奪われる私たち。満開の見事さ、花吹雪の華麗、散り際の鮮やかさ・・・。そのときどきの表情に見とれながら、毎年のことであっても、新たな感動を心に刻み付けるのです。
 お花見の歴史は平安時代に始まります。嵯峨天皇が八一三年(弘仁三年)に開いたのが記録に残る最初の花見だという説があります。その後、天皇主催の定例行事として定着していき、源氏物語「花宴(はなのえん)」の巻にもその様子が描かれました。庶民にもお花見が広がったのは江戸時代に入ってからで、徳川吉宗が各地に桜を植えて花見を奨励したからだといわれています。上野、隅田川堤など、今にも残る桜の名所で、江戸っ子は最新のお洒落で着飾り、お花見を楽しんだそうです。
 四月のお飾りは、お花見の心浮き立つ華やかさが表現されました。つるし飾りには、今が見頃の桜の花と、提灯(ちょうちん)が下げられています。ゆらゆら揺れると、お花見の賑わいが聞こえそうです。置き飾りにはおいしそうな花見の団子と、お菓子が重箱に詰められています。花見団子は江戸時代からお花見にかかせない菓子で、ピンクで春の息吹を、白で冬の名残を、緑で夏を予感させているそうです。
 お花見気分を味わえるお飾りが、今年の春をより楽しい季節にすることでしょう。
五月 端午の節句
 男児の健やかな成長を願う端午の節句は、薫風(くんぷう)香る五月にふさわしくて勇壮で、菖蒲(しょうぶ)の香りにも心も清々しくなる節句です。
 平安時代には年中行事になっていた端午の節句ですが、当時は無病息災を願う儀式で、強い香気で邪気を祓(はら)うとされた菖蒲を入れた湯に入ったりしていたようです。鎌倉時代に入り武家社会になると、菖蒲と尚武(武士を尊ぶ)をかけて、武士がこの日を大切にするようになります。江戸時代には徳川幕府の重要な式日に定められ、大名や旗本は江戸城へ出仕し、将軍にお祝いを述べました。また世継ぎがうまれると、城中にたくさんの幟(のぼり)を立てたり、兜(かぶと)を飾り祝いました。その儀式が次第に庶民にも広がっていき、現代に通じる男児の誕生と健やかな成長を願う行事に変化していったといわれています。
 五月のお飾りは鯉のぼりが気持ち良さそうに泳ぎ、その周囲を節句の風物が楽しげに揺れています。鯉のぼりを立てる風習は、竜門の滝を登りきると鯉が竜になるという中国に伝わる登竜門の伝説になぞらえたもので、我が子の立身出世を願い江戸時代に始まりました。起き飾りの兜は細部まで精緻(せいち)な作りで、端午の節句にふさわしい凛々(りり)しさを醸(かも)し出しています。

 ※縮緬(ちりめん)・・縦糸にはほとんど撚(よ)りのない糸を使い、横糸に強い撚りをかけた右より(右回りにねじる)と左より(左回りにねじる)の糸を交互に織ったものである。そのため精練すると布が縮み生地の表面にしぼ(凹凸)が現れる。主に高級な呉服や風呂敷に使われる。主なものに、京都府丹後地方の丹後ちりめん、滋賀県長浜市の浜ちりめんがある。出典:フリー百科辞典『ウィキペディア(Wikipedia)』
六月 梅雨 
 梅雨には風情のある言葉がいろいろあります。青梅雨(あおつゆ)は、新緑の青葉をぬらして降る梅雨の雨のこと。送り梅雨は、梅雨明けの頃に降る梅雨を送り出すような強い雨のこと。他にも空梅雨(からつゆ)、走り梅雨、梅雨雷、梅雨長し・・・。どの言葉も語感が美しく、季節に敏感な日本人の繊細な感性が表れているようです。
 梅雨の語源は諸説あるようですが、湿気で様々なものが腐(くさ)るので
潰(ついゆ)という説や、梅の実がなる頃の雨だから梅雨。また「露(つゆ)」からきているともいわれています。実際には梅雨入れの日は毎年違いますが、暦の上では立春から一三五日目の六月十一日頃が「梅雨」となり、それから三十日間が梅雨とされます。梅雨の前半はしとしとと降り、後半になり本降りの日が多くなるといよいよ梅雨明け間近です。
 六月のお飾りは梅雨のモチーフでしつらえました。つるしお飾りでは水色の雨のなか、てるてる坊主、カエルたちが楽しくお喋(しゃべ)りしているよう。見頃の紫陽花(あじさい)も風情ある情緒を薫らせています。置き飾りに一輪浮かぶ蓮(はす)の花の白さが可憐(かれん)なアクセントに。
 季節感あふれるお飾りで、雨降りの日も楽しくお過ごし下さい。










七月 
八月 
九月 お月見
 中秋の名月は旧暦の八月十五日とされ、奈良から平安時代に中国から伝わりました。日本にはもう1つ大切なお月見の日があり、それが旧暦の九月十三日。独自の風習で十三夜といわれるものです。
 十三夜は、十五夜から約一カ月後にくることから「後の月」、また栗や枝豆を供えることから「栗名月」ともいわれます。始まりは宇多法王が九月十三日の月を観賞したときに「無双の月」と称したことが始まりという説や、醍醐天皇の時代に開かれた観月の宴が風習化したとする説などがあります。十三夜の月は満月ではないのですが、その少し欠けているところに風情があり「名残の名月」という美しい呼び方もされます。秋になると北から乾いた空気が流れ込み、空気が澄んで月がきれいに見えるようになります。美しい月を秋の涼やかな風や、虫の鳴き声とともに愛でるのはなんとも素敵です。
 九月のお飾りはお月見を表現した、愛らしい作品になりました。供えられたすすきは、お月見が終わっても捨てずに、庭や門、水田に差すと、魔よけになるという風習があったそうです。つり飾りにはころん、と可愛らしいうさぎが二羽跳んで、桔梗(ききょう)、菊なとが、秋風にやさしく揺れます。秋の夜を情緒豊かに彩るお飾りで、心安らぐひとときをお過ごしください。
十月 実り 
 "天高く馬肥ゆる秋"です。澄んだ秋空が気持ちよく、空気までがおいしい秋がやってきました。ついつい食べ過ぎも気になる季節ですが、自然のリズムに逆らわず収穫された食材は、おいしさも栄養価もやはり充実しているようです。
 きのこはビタミンB1、B2、食物繊維が豊富。栗はビタミンCがでんぷん質に包まれているため、加熱してもほとんど破壊されません。柿やみかんの2倍、レモンやイチゴと同じほとせのビタミンCが含まれています。ぶどうにはポリフェノールが特に皮と種に多く含まれます。色つやのいい秋の野菜や果物が店先に並び始めると、心も生き生きと元気になってくるようです。秋は食べ物の少なくなる冬を乗り切るために、栄養を蓄えようとする本能が食欲を増進させるともいわれます。季節の恵みを上手にいただいて、充実した毎日を送りたいものですね。
 十月のお飾りは、置き飾りにきのこと柿、つり飾りにぶどうや柿などがおいそうに揺れ、紅葉した葉が情緒あるアクセントになっています。見ていると、お腹がすいてきてしまいそううなしつらえ。秋の実りの豊かさを。お部屋にいながらにして実感できる作品です。
 くらしに季節の彩りを添えるお飾りで、豊穣(ほうじょう)なる秋の薫(かお)りを満喫(まんきつ)してください。

十一月 紅葉狩 
 紅葉狩りは「万葉集」にも登場し、奈良時代より日本人は秋の紅葉を愛でていたことがうかがわれます。平安の貴族は紅葉した木の枝を手折り(狩り)、手元で観賞することもあったそうです。
 一口に紅葉と言いますが、紅(あか)く染まるものを{紅葉(こうよう)」、黄色く変わるものを「黄葉(おうよう)」、褐色に変わるものを「褐葉(かつよう)」と呼びます。朝と昼との温度差があるほど美しく紅葉するといわれますが、なぜ葉が色づいて落葉するのかは、まだ解明されていないそうです。景勝地の紅葉も素晴らしいですが、身近な公園の銀杏(いちょう)の木や、桜の木、庭の楓(かえで)の木などが色づいていく様を毎日見るのも、季節を実感できて素敵です。少し前までは落葉でたき火して、焼き芋を焼くのもお楽しみの一つでしたが、最近ではたき火も難しくなりちょっと寂しいものです。
 十一月のお飾りは見事に染まった楓の葉をつり飾りに、可愛らしいふくろうが置き飾りに佇(たたず)む作品です。ふくろうは冬になるとつがいとなり、子育ての場所を決めるそうです。巣は樹の洞、根元、崖穴なとで、だいたい例年同じ場所に帰って来ると言われています。春に生まれたふくろうの子どもは、八月までには親子で行動し、ゆっくり自立していきます。
 そんなふくろうの親子の紅葉狩りの様子もほほえましいお飾りが、深まる秋でお部屋を染め上げることでしょう。 紅葉狩りは「万葉集」にも登場し、奈良時代より日本人は秋の紅葉を愛でていたことがうかがわれます。平安の貴族は紅葉した木の枝を手折り(狩り)、手元で観賞することもあったそうです。
 
十二月 雪景色 
初めて雪が積もった朝は、目覚めたときの気配から違います。しん、と静まり返っているようで、空気も鼻の奥まで染み通るような冷たさです。わくわくしながら窓を開けると、外は一面雪景色。大人にとっても、この瞬間の胸躍る気持ちは、子どもの頃と変わることはありません。
 寒くなると雲の中で氷の結晶ができます。氷の結晶は周りの水分を取り込んで大きくなって落ちてきます。これを雪というそうです。雪の結晶は美しく幻想的ですが、その形は上空の温度によって決まるのだとか。水の分子が凍るときに並ぶ六角形が基本形で、その後、周りの温度によって六角形が横に広がったり、縦に伸びていったりします。やはり自然が作るものなので、同じものは二つとないそうです。
 十二月のお飾りは真っ白な雪に寒椿が美しく映えるつり飾りに、南天と雪うさぎが寄り添う置き飾りです。椿は日本固有の花木で、学名は「カメリア・ジャポニカ」。赤い椿の花言葉は「気取らない優美さ」だそうです。南天は難を転じるということから縁起の良い植物とされ、間もなく迎えるお正月には欠かせません。
 赤と白のコントラストも美しく、忙しい師走にも心に潤いを与えてくれる作品です。