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| 未承認ポリオワクチンに踏み切った医師たち 24.03.01 国が世界標準のワクチンを認めない時、医師はどうすればいいのだろうか。eIPV(改良型不活化ポリオワクチン)が誕生して既に30年近く経ち、年間約2500万接種されているワクチンであるだけに、IPV(不活化ポリオワクチン)をめぐる医師たちの立ち位置の違いが鮮明に浮かび上がる。国策に従うことで是とするか否か。医学的見地に立つのか否か。そして、母と子の立場に寄り添うことを是とするか否か。まだ続く取材の途中でのレポートである。 たとえそれが400万人接種に1人でも、100万人あたり1.5人でも、ポリオを防ぐワクチンでポリオになる子がいる。そのリスクがゼロになるワクチンが諸外国では医療者の間でも、行政の防疫担当者の間でも常識であり、現実にポリオを防ぐワクチンでポリオになる子どもを無くしている。しかし、私たちの国では、野生種でのポリオ発症が無くなって30年経つ今でも、国の勧めるワクチンでポリオ患者を作っている。 ワクチンでポリオにされた子 彼が歩くたびコツコツと音がする。 麻痺してしまった両足を支えるための、関節の変形を少しでも防ぐための、両足につけられた小さな装具の踵が床を打つ音だ。真新しいフローリングの床には、硬い装具が刻んだいくつもの傷がある。 コツコツ、コツコツ。 二間間口の診療所にて・・・ 「ツイッターにはIVP(不活化ポリオワクチン)を求める声がたくさんありました。IVPを受けさせたいが場所が無い。トラベルクリニックでIVPを接種しているところはあっても、赤ちゃんには接種してくれない。なんとか、なんとか、わが子に接種したという声です」 個人輸入でその声に応えてみようかと、宝樹医師は考えた。それまでにも承認されたものの供給量が足りなかったHibワクチンや、HPV(子宮頸がんワクチン)を個人輸入してきた。ワクチンでのポリオ発症の重さを知り、IPVを望む母親がいるならやってみようと思ったのだ。 「私はVAPP(ワクチン関連弛緩性麻痺)は100万分の1、200万分の1だから、解熱剤の副作用より少ないという感覚で生ワクチンを投与してきた。でも、母親たちにとってポリオになるかならないかということの意味は全く違ったんですね。お母さん方は、私なんかよりよほどワクチンによる副反応の情報をちゃんとキャッチして勉強している」 そこで視点の転換がある。予防接種を行う側、行政や医療者の視点とは別に、予防接種を受ける側の視点がある。接種する側には100万分の1のリスク。だが、接種を受ける側からすれば「わが子がワクチンでポリオになるか、なせらないかん」の二つに一つのリスクなのだと気がついた。だから、母親はわが子を守るためにはるばる恵比寿まで来るのだ。 ある母親は言った。「保健所の保健師さんは、VAPP(ワクチン関連弛緩性麻痺)は交通事故みたいなのだから、生ワクチンでいいとしか言わない。他の選択肢があるって言わない。行政側の立場でしょうけど、正確な情報をくれない。私はかかりつけの先生がワクチンについてちゃんと勉強しろって言ってくれて勉強していたから『それは間違い』とわかったけど、この国はおかしい。子どもを守る方法を、私たちが自分で調べるしかないっておかしいでしょ」 (真々田 弘:フリーランス・テレビディレクター、月刊保団連 2012 No.1082 P43〜p48から抜粋) |
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不活化ポリオワクチン ポリオワクチンによる周囲への感染(特に麻痺)が発生しないように、不活化ワクチンが欧米では試みられています。接種回数が減らせるように、三種混合とポリオの不活化ワクチンの混合ワクチンも開発中です。 @不活化ポリオワクチンの対象者:ポリオ生ワクチンの副反応が心配な方で、ポリオ生ワクチンの接種を1回もしてない人、または1回だけ受けた人。 A接種料金:当院での、1回当たりの接種料金は、6,000円です。 B開始予定:平成23年11月1日開始しました。 C予約:毎日、予約を受け付けます。 とれあえず100本あるので、25〜33人以上の人が受けられます。当院では、昨年は延べ10数人の人が接種を受けられています。 D実施医療機関:私が知っている所では、長崎大学小児科、諫早市のおの小児科と当院です。全国的には、インターネットでも実施医療機関をいくつか紹介しています。 ★ポリオ生ワクチン(OPV)の副反応(ワクチン関連麻痺、100万〜400万回接種に1人程度)が社会的に問題となっています。 1)免疫抑制状態にあるヒトではより麻痺の頻度が高い。 2)初回接種後が多い。 3)多くが男性で、性差がある。 4)難治性の肛門周囲膿瘍は、基礎疾患として先天性免疫不全症が存在する可能性があることから、OPV接種については注意する必要がある。 5)肛門周囲膿瘍の切除などの外科的処置が行われることは、麻痺発生リスクを増加させる。 6)OPV接種30日以内に頻回に筋肉注射を行うことも麻痺発生のリスクを増やす。 ※OPV接種後1カ月間はこれらの医療行為は緊急性の高いものを除いて延期する方が望ましい。 <解決策> 1)輸入の不活化ポリオワクチンを自費で受ける。 2)稀な副反応は知らなかったことにして、そのまま生ワクチンを受ける。 3)不活化ポリオワクチンが公費(無料)で受けられるまで、2年でも3年でも待つ。 と、いった対策が考えられます。この方法では、ポリオの感受性者が増加し、ポリオの流行につながる恐れがあり、一番勧められない。 不活化ポリオワクチン・・既に10回以上の接種を受けられました。特に気になるような副反応は起きていません。 ポリオ特集 詳細は以下の通りです <ポリオ特集1> ●ポリオ関連麻痺の悲劇 ●不活化ポリオワクチンの副反応 ●ポリオ生ワクチンの危険性 ●ポストポリオ症候群 ●ポリオの会 <ポリオ特集2> ●経口生ポリオワクチン(OPV)と不活化ポリオワクチン((IPV) ●OPVとIPVの、接種にできる免疫の違い ●ワクチン関連弛緩性麻痺(VAPP) ●ワクチンに対する万が一の補償 ●不活化ポリオワクチンの接種法 <ポリオ特集3> ●ポリオってどんな病気 ●日本と外国のポリオの現状 ●ポリオワクチンを続ける理由 ●日本で経口生ポリオワクチンを続ける理由 これらを編集するに当たっては、湘南かまくらクリニックのホームページを参考にしました。 http://www.sk-cl.jp/skcl/wakuchin_jie_zhong_files/polio%26poliovacQ%26A.pdf#search='湘南クリニック ポリオ不活化ワクチン' |
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| ポリオ特集1 1)関連麻痺(=VAPP)の悲劇 23.10.01 予防接種健康被害の認定に始まり、専門でないのに予防接種と関係して25年以上が経過している。現在は予防接種リサーチセンターにある健康被害者福祉センター運営委員会長と、全国市町村予防接種担当者を対象者とした電話相談を、週1回午後担当している。紛れ込みが多いといわれている健康被害の中で、明らかに因果関係があるものはMMR(麻しん・風しん・おたふくかぜ混合)ワクチン後の無菌性髄膜炎とポリオ関連麻痺であろう。 このうちもっとも問題となるのは不活化ワクチンにより防止できるポリオ関連麻痺(VAPP=vaccine-associated paraliytic polimyelitis)であろう。今年の4月にも1例発生している。ワクチン普及によりわが国では30年以上野生ポリオは発生していないのに、生ワクチンによるVAPPが発生している。発生頻度は200〜500万に1例と厚生労働省は公表しているが、いままでの経験からすると50〜100万回に1回くらいは発生しているのではないかと考えられる。家庭訪問や関係した事例を通して悲劇の実態を述べてみたい。 先進国でき不活化ワクチンの使用によりVAPPは存在しない。わが国は導入が遅れ現在でもVAPPが発生している。子どもは宝といいながら経済効率を重視し、子どもを大切にする文化が存在しないのは悲劇である。知能は正常、歩行可能のため障害年金等級が低く算定される。ところが麻痺による後遺症、苦しみは一生涯持続する。個人情報保護のため変更した事例を紹介する。 @ポリオ様左下肢麻痺の高校生、小学校6年で変形矯正手術、現在、普通高校に在学、成績は上、8kmの歩行可能、左尖足拘縮、6cmの脚長差がある。今後、左変形性膝関節症、左変形性股関節症や側彎などの出現の可能性がある。A右に、強い両下肢ポリオ関連麻痺の5歳女児、装具と側彎のコルセットを着用して数m歩行可能、知能は正常、トイレットトレーニング中、これから学校を卒業し社会人になるまでに祖父母、両親と本人の多くの困難と苦しみが予想される。本人と家族の悲劇である。VAPPの実態を知らない人が多い。そのような人々は200万人に1人の発生頻度なら止むを得ないと考えている人がいる悲劇である。 家族や予防接種従事者より「生ワクチンを飲んだほうがよいか」「不活化を接種したい」などの電話相談が直接あったときは、「頻度は低くてもVAPPとなる確率は否定できない、日本には30年以上、野生ポリオは発生していない、平成24年度に不活化ワクチンの導入が予想される、ワクチンは生後90カ月まで受けられる」と話し、いま生ワクチンを受けるか、自費で不活化ワクチンを受けるか、不活化導入まで待つかを保護者の判断に委(ゆだ)ねることにしている。決して生ワクチンを進めない。 わが国の予防接種行政は遅れている。VAPPの悲劇を繰り返さないために、ACIP(ワクチンに関する諮問委員会)の設立と並行して、子どもを守るために小児科医は「具体的推奨は行わない」など具体的行動をおこすべきときにきているのではないか。 (前川喜平:小児科診療 第74巻 第10号 2011年10月1日発行より転載) 2)不活化ポリオワクチンの副反応 23.11.24 軽い反応として、接種部位の発赤、腫脹、熱感、疼痛、発熱などがありますが、いずれも通常数日で自然軽快します。重い副反応として、アナフィラキシーショックが接種後30分以内に起こる可能性がありまが、非常にまれです。 不活化ポリオワクチン(IPV)接種を何回受けても、ポリオウィルスが便に出ることも全くありませんし、ワクチン関連弛緩性麻痺(VAPP)を発症することも全くありません。 <別の報告では> 【1】よく見られる副反応:接種箇所の疼痛、紅斑、腫れ。一過性、軽度の発熱。 【2】0.01%未満の頻度 (1)接種局所:1日〜2日以上続く接種箇所の浮腫・リンパ節腫脹。 (2)アレルギー反応:アナフィラキシー (3)数日以内に起こる一過性の軽度の関節痛、筋肉痛 (4)2週間以内に起こるけいれん、頭痛、一過性の麻痺 (5)接種数時間以内もしくは数日以内に起き、急速に改善する興奮、不眠、不機嫌。 (大きく拡がった紅斑。 <その他の報告> 1)接種部位の発赤(約1%) 2)硬結(3〜11%) 3)圧痛(14〜29%) 4)まれにアナフイラキシーなどの重篤な副反応を起こす可能性もありますが、これは他のすべてのワクチン(OPVなど)でも同様に起こる可能性のあるものです。 ☆米国では、毎年約440万人が出生し、IPV接種率は約92%です。経口ポリオ生ワクチン(OPV)が廃止されて以降の2000年〜2010年のIPV接種人数は約3,700万人にのぼります。これまで、無過失補償制度であるVICP(ワクチン副作用被害補償制度)でIPV接種後に補償がなされたのは1988年〜2010年までの22年間に7件です。かりに、7件が2000年〜2010年の間に発症したとして、確率は0.19/100万人です。この数値を日本に当てはめると、全員がIPVを接種しても、5年に1人程度しか補償の対象となる副作用被害は発生しないと推定されます。 3)ポリオ生ワクチンの副反応 23.10.01 通常、ポリオ生ワクチン(OPV)では副反応がほとんどありません。接種後に発熱がみられることがありますが、OPVの副反応ではなく他のウィルスによる発熱の場合がほとんどです。 副反応としては、接種後5〜35日後に発熱や嘔吐、麻痺までの症状を呈することが約450万人に1人の割合で起こることが知られています。これは、ポリオのワクチンが生ワクチンで喉や腸で増殖しながら免疫を作る性質上避けては通れないものです。 日本では、過去5年間でポリオ生ワクチン接種後の麻痺例は、平成20年度7例(暫定値)、19年度4例、18年度3例、17年度1例、16年度3例、15年度2例となっています。 世界ではまだまだポリオが流行しているところがたくさんあります。副反応は確かに心配ですが、免疫をもたずにこれらの国に行ってポリオにかかっても誰も責任をとってくれません。予防できるものはワクチンで予防することがもっともこどもが幸せに生活する手段ですね。 一般的に、OPVの投与後の副反応は4週間程度の間に起こりうるとされています。以前、OPVを受けて 4週間以上経過し、何らかの症状を示さなかったお子さんについては、今後もOPVが原因で麻痺を生じるような重篤な副反応が起こることはありません。 4)ポリオ生ワクチンの危険性 23.10.01 麻痺はある日突然に もちろん、生ワクチンの接種を受けても特段の症状が現れない子どもが大半のようです。しかし、軽い症状として風邪や胃腸炎のような症状(発熱、倦怠感、頭痛、嘔吐、筋肉痛など)がみられることもあります。そして重ければ、筋肉、特に脚に麻痺が出てしまうのも事実なのです。 潜伏期間は4〜35日。麻痺が現れる時期は様々で、高熱が収まってほっとしていた矢先、ということもあれば、発熱もなく突然に麻痺のみが起こることもあります。忘れた頃にやってくるので、原因がすぐに思い当たらないケースもあるようです。 多くの場合、麻痺はいったんかなり回復します。日常生活では全く問題なく、一見したところ完全に治ったと見える場合が少なくありません。一方、発症から12カ月過ぎても麻痺や筋力低下がある場合は、一生、後遺症の残る可能性が高くなります。 注意すべきは看護や身の回りの世話をしている人、同居している家族など全員です。生ワクチンの接種から1週間たつと、唾液(だえき)にはウィルスはほとんど含まれなくなりますが、便にはまだ数週間にわたって排泄(はいせつ)されます。気をつけないと、手指や食べ物、おもちゃなどを介して周囲の人の口に入り、感染する恐れがあるのです。
B.C.1350年:紀元前エジプトの壁画にみられるポリオ 1905年:スェーデンで1,000人以上の麻痺患者が発生。 1916年:米国で流行。27,363人の麻痺患者が出て、7,179人が死亡。 1948年:日本では明治後期から10数年の間隔で流行。もっとも流行が大きかった1948〜61年頃、年間のポリオ患者数は1,000〜5,000人、死亡者は100人〜1,000人に。 1955年:不活化ポリオ・ワクチン発明。 1957年:生ポリオ・ワクチン治験がソ連で開始。 1961年:日本では1961年に緊急輸入され、普及しばめたポリオ生ワクチンにより、患者・死亡者数は激減。1964年には患者84人、1970年には患者数8人。野生株のポリオウィルスによる感染は、1980年を最後に日本ではなくなる。 2006年:西半球、西太平洋地域、ヨーロッパ地域がポリオ無発生地域として宣言。ポリオ常在国は4カ国に。 2010年:推定されるポストポリオ患者数は米国250,000人、日本40,000人とも。 ※ロハス・メディカル 2011年 3月号 66巻のp16-21(米本恭三監修)から転載 5)ポストポリオ症候群 23.10.01 ポリオの症状が出ても「多くの場合、麻痺はいったんかなり回復します」。問題はこの「いったん」です。 ポリオが恐ろしいのは、感染した直後の手足の麻痺などがいったん軽くなったとしても、何の異常も無いまま数十年を経過した後に、かなりの割合で症状の悪化が現れてくることです。これを「ポストポリオ症候群(PPS)と呼ばれます。 具体的には、急激に疲れが襲う、呼吸障害、嚥下(えんげ)障害といった全身症状や、筋肉が細くなって力が弱くなる、骨や関節が変形する、痛みが出る、などの症状が典型的。麻痺が残った部位ばかりでなく、様々な部位に現れて、生活にも大きな支障が出てくるのです。 接種の前によく考えて PPSは、ポリオに感染した経験のある人の20〜40%に可能性があるとされています。日本で大流行した頃に乳幼児だった世代は、今ちょうど50〜60代。PPSに苦しんでいる方や、それと気づかれずに原因不明の身体の不調で悩んでいる方も多い思います。とある調査では、日本のPPS患者は4万人に上ると推定されています。さらに未来ある若い世代にも、予防接種によるPPSが控えているのです。「乳幼児期に予防接種が原因で麻痺を経験して心配したけれども、まもなく治ってほっとした」という場合、実はまだ安心できるわけではないんですね。 そして、残念ながら、ポリオとう病気は忘れられ、生ワクチン接種の危険性やPPSについては、医療者の間でもさほど認知度は高くないのが実情です。 繰り返します。ポリオは日本では自然に存在しないにもかかわらず、生ワクチンで発病する危険性が残されており、PPSを含め、一生障害を負うことになるかもしれません。これから予防接種を予定している人は、ちょっと立ち止まって、是非その点についてもう一度考えてからご決断ください。 ※ロハス・メディカル 2011年 3月号 66巻のp16-21(米本恭三監修)から転載 6)ポリオの会 23.10.01 「ポリオの会」は、1995年12月に、朝日新聞(東日本版)を通じてポリオとPPS(ポリオ後症候群、ポストポリオ症候群)について医療情報を求めるとともに、ポリオ体験者が手をつないで自分達の体験や症状をまとめて伝えていくことなどを目的に結成されました。 その後、同じ頃に各地で生まれたポリオ体験者の会とも交流しています。 現在、ポリオの会は東日本を中心として、沖縄から北海道、アメリカ、イギリス、オーストラリアまで広がり、会員同士、お互いに有益な情報を求め、医療機関に働きかけ、励ましあって、会員1人一人がい゛きることで会運営を支える体制で、緊密に協力し合うとともに、開かれた会を目指しています。課題を同じくする障害者団体とも情報を交換し協力しあっています。 いま直面している問題は、野生株ポリオが日本で根絶されポリオは減っているはずなのに、新たな仲間が増えていることです。経口ポリオ生ワクチン(OPV)による麻痺性ポリオ発症や、二次感染での発症があるからです。その数は認定されただけでも年に数例で、実態は数倍と思われます。ポリオは死亡率も高く治療法のない深刻でつらい病気です。もう一人もポリオにしないよう、一日早い不活化ポリオワクチン(IPV)導入を望みます。ポリオの診断体制の整備とポストポリオ症候群(PPS)への医療がきちんとされることを望んでいます。 <連絡先> 〒110-0011 東京都台東区三ノ輪1-6-5-602 小山 万里子 |
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| ポリオ特集2 1)経口生ポリオワクチンと不活化ポリオワクチン 23.09.24 ポリオワクチンには、経口生ポリオワクチン(OPV)と他に不活化ポリオワクチン(IPV)があります。OPVとは、ウィルスの病原性を十分に弱めた生きたウィルスを含む、飲むワクチンです。OPVわ飲むと、ウィルスが腸の中で増えて効果はすばやく発揮するので、ポリオの流行を抑えるためには非常に有効です。注射しなくてよく、値段も安いので、主にポリオが流行している国・地域で使われます。 欠点は、ワクチン株ポリオウィルスによるポリオを発症してしまうことがあることです。これをワクチン関連性弛緩性ポリオ(VAPP)と呼びます。 一方、不活化ポリオワクチン(IPV)とは、ウィルスの病原性を完全になくして作られる、注射するワクチンです。IPVは、ポリオの発症を予防するには効果的ですが、流行を抑える力はOPVより弱いです。IPVは、OPVと違って、何回接種してもVAPPを発症することがないので、主にポリオが流行していない国・地域で使われています。 欠点は、OPVより値段が高いことと、効果を高めるには接種を何回も繰り返す必要があることです。 ★OPVのデメリット 接種した本人(子ども)がポリオを発病する可能性があること、そして発病した場合にその子が通っている保育園等や、家庭内においてもポリオワクチン未接種の子どもに感染し、ポリオを発病させる可能性があることです。実際、日本でも、ワクチン未接種の子どもがポリオを発病してケースが報告されています。 生ワクチンをもとにして、ポリオが野生化する事態も起こり得ます。ナイジェリアでは、2004〜2005年にかけてワクチン株由来のウィルスが野生化し、ポリオの流行を引き起こしたことが報告されています。 ★OPVのメリット 今でも世界をポリオかの脅威から救ってくれる、すばらしいワクチンです。大流行を短時間で抑えるのに有効です。価格が安価なこと。経口ワクチンなので、注射と違って痛くないこと。注射器や針などの医療資材が必要ないこと。口にスポイトで液を垂らして飲んでもらうだけなので、短時間で大人数に接種が可能ですし、医師や看護師でなくても投与可能です。接種回数が少なくて済む。OPVによってポリオは激減しており、ポリオが多数発生する国にとっては、非常に有効なワクチンです。 ☆IPVのメリット ワクチン関連麻痺性ポリオ(VAPP)の発生がありません。接種を受けた子はもちろん、接触した周囲の人(保護者等)も全てポリオを起こすことはありません。ワクチン接種後の便も、普段と同じように処理すれば良いのですし、ポリオに対する免疫が低いとされる1975年〜1977年(昭和50年〜52年)生まれで、現在、お子さんポリオワクチン接種を考えている場合でも安心です。ただし、周囲のお子さんたちがポリオ生ワクチン(OPV)を接種している場合、やはり感染の可能性は否定できません。 ☆IPVのデメリット 注射なので、痛いこと。不活化ワクチンなので、接種回数が多いこと。ワクチン代が、OPVに比べて高いこと。 2)OPVとIPVの、接種後にできる免疫の違い 23.09.24 経口生ポリオワクチン(OPV)でできる免疫は、主として腸で働くIgA抗体という免疫物質が関係する免疫です。OPVでは、1回目の接種で十分な免疫ができるのですが、十分にできるのは1型・2型・3型の3つの型のうちの一部についてです。1回目の接種で免疫が十分にできなかつた型については、2回目の接種で十分な免疫ができるとされています。 一方、IPVでできる免疫は、全身で働くIgG抗体という免疫物質が関係する免疫です。IPVでは、1回目の接種で3つの型全てについて免疫ができるのですが、どの型の免疫も不十分です。3回目の接種終了後にすべての型について十分な免疫(基礎免疫)ができますが、長持ちしません。あと1〜2回接種すると、この免疫が長持ちします。4〜5回も接種を繰り返さなければならないのは、そのためです。 3)ワクチン関連弛緩性ポリオ(VAPP) 23.09.24 経口生ポリオワクチン(OPV)は、ウィルスの病原性を十分に弱めて作られますが、生きているので、まれに腸の中で増える間に病原性を強めることがあります。すると、この病原性が強まったワクチン株ポリオウィルスにょって、OPVを飲んだ人自身や、ポリオに対する免疫のない周囲の人がポリオを発症してしまいます。これがワクチン関連弛緩性ポリオ(VAPP、Vaccine-Associated Paralytic Polimyelitis)です。 OPV接種ないし感染4〜35(平均15)日後に、発熱・かぜ症状に引き続いて、四肢の弛緩性麻痺が出現します。一旦発症してしまったら、野生株ポリオウィルスによるポリオと同じで、治療法はありません。 1)接種された本人が、自身の接種されたワクチン株ポリオウィルスに感染して発症する場合(1人/450〜486万接種 程度、WHOによれば2〜4人/100万接種)と、 2)周囲のOPV既接種者の便中に排泄されたワクチン株ポリオウィルスに感染して発症する場合(1人/550〜789万接種 程度)とがあります。 接種された本人が発症する場合、接種2回目以降に発症する頻度は低下しますが、ゼロにはなりません。初回、男子、免疫不全、接種後の手術、接種後頻回の筋肉注射、肛門周囲膿瘍なとがあると、VAPPを発症しやすくなることが知られています。 ☆米国でVAPPに罹患した人の背景(1980〜1988年)・・・アメリカでは、1988年以降はIPV(不活化ポリオワクチン)です。 1)生ワクチンを受けた健常者(41%) 2)生ワクチン接種を受けた人に接触した健常者(31%) 3)市中の感染(5%) 4)免疫不全者(24%)と報告されています。 4)ワクチンに対する万が一の補償 23.09.24 経口生ポリオワクチン(OPV)後に、接種された本人がワクチン関連弛緩性ポリオ(VAPP)を発症した場合には、予防接種法による健康被害救済制度があります。また、周囲のOPV既接種者から感染した発症した場合、健康被害救済事業(ポリオ生ワクチン2次感染対策事業)による救済制度があります。 不活化ポリオワクチン(IPV)に対する公的な救済制度はありません。万が一の場合には、IVPの輸入取扱メーカーが定めた制度に基づた救済方法があります。 5)不活化ポリオワクチンの接種方法 23.09.24 不活化ポリオワクチン(IPV)には、ポリオウィルス1型・2型・3型の3種類の抗原が適切な比率で混合されています。冷蔵庫から取り出した後、十分に振蘯混和させ、0.5mLを大腿の上部外側(年長なら上腕の三角部)に筋肉注射します。 お勧めの接種回数は、ポリオワクチンを1回も接種したことがなければ、計4〜5回です。接種スケジュールは、 1)1回目:生後2カ月以降 2)2回目:1回目の4〜8週後 3)3回目:2回目の4〜8週後 4)3回目の1年後 5)4歳以降 医学的には、1回目と2回目、2回目と3回目の接種間隔は8週が最適とされています。しかし、日本では、ワクチン株ポリオウィルスが蔓延しているので、可能な限り早期に基礎免疫を獲得しておく必要があることから、最短の4週がお勧めです。 経口生ポリオワクチン(OV)とIPVを組み合わせることも可能です。OPVを1回済ませた後で、IPVに変更される場合には、免疫の仕組みが違うために、改めてIPVの所定の回数をゼロから始めることになります。 ★長崎県内では、長崎大学小児科、諫早市のおの小児、今後は当院などが実施医療機関となります。全国的に東京が一番多いようで、インターネットで調べることもできます。 |
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| ポリオ特集3 1)ポリオって、どんな病気? 23.09.30 「ポリオ」はポリオウィルスによって起こる病気で、四肢の麻痺を起こします。1960年代前半に日本の小児の間で流行したために、当時は「小児麻痺」と呼ばれていました。免疫がなければ、成人も罹ります。 ポリオウィルスは、手足口病やヘルパンギーナなどを起こすエンテロウィルスの仲間です。ポリオウィルスに感染したヒトの便の中にいるポリオウィルスが、別のヒトの口・鼻から侵入し、咽頭・腸管粘膜で増殖します。ポリオウィルスはヒトだけに感染し、他の動物には感染しません。 ポリオウィルスには、1型、2型、3型の3種類があります。 ポリオウィルスに感染しても「ポリオ」を発症するのはまれです。感染から発症までの期間(潜伏期間)は4〜35日(平均15日)です。治癒すると、二度と「ポリオ」に罹りません(終生免疫)。 ポリオウィルス感染者全体のうち、 1)90〜95%は無症状で治癒(不顕性感染)します。 2)5〜10%は、嘔吐、下痢、咽頭痛、咳嗽などの症状が出て夏かぜ様になります(不全型)。 3)0.5〜0.01%歯、発熱、頭痛、嘔吐の症状が出て無菌性髄膜炎になります(非麻痺型)。 4)四肢の麻痺を起こすのは、ポリオウィルス感染者全体の0.05〜0.1%です(麻痺型)。 2)日本と外国でのポリオの現状 23.09.24 日本では、1960年にポリオの大流行がありました。使用され始めたばかりの経口生ポリオワクチンを1961年にソ連やカナダから緊急輸入しました。この経口生ポリオワクチンを全国の小児に接種したところ、あっという間にポリオの流行はおさまりました。1964年には国産の経口生ポリオワクチン接種が開始され、1960年代後半にはポリオの患者が激減しました。 日本では、1980年の1例を最後に、現在に至るまで30年間以上の間、野生株ポリオウィルスによるポリオの発症の報告(自然感染)はなく、ポリオは根絶された状態となっています。2010年10月、WHOは日本も属する西太平洋地域におけるポリオ根絶を宣言しました。 ポリオは現在では、ポリオは根絶されていません。 1988年4月WHOが「ポリオ根絶計画」を発表した当時、ポリオ常在国は125か国ありました。2009年7月にはナイジェリア、インド、パキスタンとアフガニスタンの4カ国に減りましたが、タジキスタン、コンゴ、セネガル、ロシアなどではポリオの流行が起きています。 外国のポリオ患者数の経過は、1988年35,251人、1998年3,228人と、当初こそ順調だったものの、2007年1,310人、2008年1,651人、2009年1,604人と、その後は決して決して順調ではありません。 3)ポリオワクチン接種を続ける理由 23.09.24 日本では、ポリオは根絶されたと聞きました。それなのに、なぜポリオワクチン接種をし続けなければならないのか? それは、日本では根絶されたといっても、外国ではポリオはまだ根絶されていません。それだけでなく、ポリオワクチン接種の手綱を緩めただげても、ポリオの流行が起こります。 例えば、中央アジアにあるタジキスタンという国では、一旦ポリオ根絶が達成されましたが、その後ポリオワクチンの接種率が低下し、2010年には、外国からポリオウィルスが侵入し、麻痺709例、ポリオ確定458例(そのうち死亡29例)が発生しました。 また、オランダ南西部では、宗教上の理由でワクチン接種を拒否する集団内で、外国から侵入したポリオウィルスによる流行が2度も起こり、1978年にT型110例、1992年には3型4例のポリオが発生しました。 世界との交流が盛んな現在では、ポリオ常在の国・地域やその近隣に行けば、日本人が野生株ポリオウィルスに感染する危険があります。逆にポリオ常在の国・地域やその近隣から、日本に野生株ポリオウィルスが持ち込まれる危険があります。こうした危険があるため、ポリオが根絶されない国・地域が世界のどこかに残っている限り、ポリオが根絶された日本でも、ポリオワクチン接種をし続ける必要があります。 ポリオワクチンには、生ワクチンと不活化ワクチンがあります。それぞれの特徴をよく知って、どちらを最終的に受けるのかを保護者の皆さんが選択して下さい。悩まれる場合には、医師に相談下さい。 4)日本で経口生ポリオワクチンを使用し続ける理由 23.09.24 日本国内で承認されているポリオワクチンは、現時点では経口生ポリオワクチン(OPV)しかありません。このOPVは、予防接種法に定められたワクチン接種(勧奨接種)なので、費用は公費(無料)です。 野生株ポリオウィルスによるポリオの発症がない海外の国々では、ワクチン関連弛緩性麻痺(VAPP)の発症を回避するために、1990年代後半からOPVを不活化ポリオワクチン(IPV)に切り替えてきました。 野生株ポリオウィルスによるポリオの発症がない日本でもIPVに切り替えてもよさそうなものですが、OPVを使用し続けているのは、先進諸国の中では日本だけです。 日本でもIPVを開発中ですが、開発しているのは不活化ポリオワクチンと三種混合ワクチン(ジフテリア・百日ぜき・破傷風)を合わせた四種混合ワクチンのみです。このワクチンでは、すでに三種混合ワクチン接種を完了した児には使用できません。それに、このワクチンの実用化までに、今後さらに数年かかるのではないかといわれています。最近のニュースでは、IPV単独ワクチンの開発にも、メーカーが着手したと報じられていました。 海外で広く有効安全に使用されているIPVを個人輸入して接種している医療機関も増えてきています。当クリニックでも、このIPVを取り扱う予定です。 |
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| ★ポリオ生ワクチン(OPV)の副反応(ワクチン関連麻痺、100万〜400万回接種に1人程度)が社会的に問題となっています。23.11.30 1)免疫抑制状態にあるヒトではより麻痺の頻度が高い。 2)初回接種後が多い。 3)多くが男性で、性差がある。 4)難治性の肛門周囲膿瘍は、基礎疾患として先天性免疫不全症が存在する可能性があることから、OPV接種については注意する必要がある。 5)肛門周囲膿瘍の切除などの外科的処置が行われることは、麻痺発生リスクを増加させる。 6)OPV接種30日以内に頻回に筋肉注射を行うことも麻痺発生のリスクを増やす。 ※OPV接種後1カ月間はこれらの医療行為は緊急性の高いものを除いて延期する方が望ましい。 (2011年 予防接種に関するQ&A集/一般社団法人日本ワクチン産業協会発行) |
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| ポリオワクチン ー不活化ワクチン導入に向けてー23.11.30 1)ワクチンの必要性、効果と副反応 ポリオ蔓延地区において一斉にOPV(経口ポリオ生ワクチン)を投与すれば、野菜株ポリオウィルスを駆逐するすることができる。その効果は1960年代の日本におけるポリオ患者数の激減を見ても明らかである。ポリオ根絶のためには最も有効なワクチンである。しかし、一方で、OPVを接種した小児において、おおよそ440万回投与に1例程度と頻度は高くないが、ワクチン株に由来するポリオ麻痺(VAPP)患者の発生はさけられない。また、おおよそ580万回投与に1例の割合で、OPVから環境に排泄されたワクチン由来ポリオウィルス(VDPV)に感染し、ポリオを発症する例がある。 予防接種率が低下感受性者が蓄積した地域においては、VDPV(OPV接種者から環境に排泄されたワクチン由来ポリオ麻痺)がヒトからヒトに伝播し、VDPVによるポリオ麻痺患者が多発している。2000〜2001年に、1型VDPVによる大規模なポリオ流行がヒスパニオーラ島で報告され、西太平洋地区においても、2001年にはフィリピンで、2004年には中国貴州省で、2005〜2006年にはカンボジアで、ポリオ患者が発生している。これまで報告されているVDPVの多くは、伝播の過程で弱毒化を規定している遺伝子部位に異変が生じ、神経毒力が復帰が示唆されている。 2)現状の問題点 わが国においては、すでに2000年にポリオ根絶宣言が出され、野生株ポリオウィルスは常在しない。野生株ポリオウィルスによるポリオ麻痺のキッセイは1980年が最後であり、1981年以降発生をみていない。これに対し、この20年を見ると合計16例、1年に0〜3例のVAPP(ワクチン由来株によるポリオ麻痺)症例が報告されている。このため、OPV(経口ポリオ生ワクチン)をIPV(不活化ポリオワクチン)に早急に切り替える必要があるが、VAPV(OPV接種者から環境に排泄されたワクチン由来ポリオ麻痺)流行の危険性を考慮すると、IPVが導入されるまではOPVを継続し高い抗体保有率を維持するしか選択肢かない。 3)将来的展望 わが国では、三種混合と不活化ポリオ混合ワクチン(DPT-IPV)の開発が急務である。 現在、複数のワクチンメーカーがDPT-IPVの開発を行っている。阪大微生物研究所、化学及血清療法研究所(化血研)、第一三共株式会社と北里研究所、武田薬品が第V相臨床試験が行っており、平成24年度中には認可される見込みである。 また、サノフィパスツール社は、単抗原IPVの国内導入に向けて臨床試験を検討中で、DPT(三種混合)既接種者がIPVを受けられるよう、DPT-IPV導入と同時期の認可を目指している。(細谷光亮:小児科臨床2011年12月号p2634-p2638) 日本国内で使用されている輸入の不活化ワクチンはサノフィパスツール社のものなので、世界中で安全は証明されています。現在は、国内で未承認のため、万が一の補償額が小さいのは少し問題ですが、麻痺などの副反応がない点が世界中では高く評価されています。当院でも、不活化ポリオワクチンはサノフィパスツール社のものを使用しています。 |
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