あれから一年


米国同時多発テロ一周年ということで、乗っ取られた飛行機が

ツインタワーに突っ込む所を、テレビで何度もやっていた。

また秘蔵ビデオということで、ツインタワーの超高層階から

飛び降りた人達が、地上にぶつかる時の音、、、も公開されていた。

人間が、雨のように降って来たんだそうだ。

この世の地獄と言うより他ない。

一年後の現場では、教会の鐘の音を合図に、人々が黙とうをやっていた。

これを見て、これが広島や長崎の原爆の日の式典と、二重写しに

見えたのは、私だけではなかったろうと思う。

人間はどうして、こうも憎しみ合わなければならないのだろうか。


世界には、色んな考え方をもった人達、民族がいる。

美味いものを食いたければ、よりもっと美味いステーキを食べよ。

便利な生活を送りたければ、よりもっと速い乗り物を作れば良い。

環境が悪化して地球が住めなくなれば、他の星へ移住すれば良い。

というのがアメリカ的価値観だ。

すべて人間の欲求を勝ち取っていくやり方で唯物的志向だから、

お金さえあれば、大方のことは実現できる。

一方イスラムの人達の価値観とはおそらくこうだ。

美味いものを食いたければ、断食せよ。空腹後の食事ほど美味いものはない。

幸福な生活を送りたければ、一日に五回の礼拝をして神に感謝しなさい。

そうすれば神の慈悲が受けられる。

禁欲主義で唯心的志向だから、お金だけでは、満たされない。

ファーストフードばかり食べて、金儲けに忙しいアメリカ人

(また彼らに洗脳された日本人)にとっては全く不合理な考え方だろう。

でも、良いんじゃないだろうか、そんな人達がいても。。。


現在、軍事的にも経済的にも唯一超大国のアメリカ。

確かに、自由と平和を守るということは、世界の万人が願う立派な理念であるが、

だからと言って、それを支える資本主義というアメリカ的社会システム、

その中で育まれたアメリカ的価値観を、無理やりに世界中の人々へ

押し付けて行って良いものだろうか?

アメリカは、世界中をグローバル化、アメリカナイズしても良いのか。

そこが問題だ。

アメリカがイラク攻撃に踏み切ったとして、

また血で血を洗うことになりはしないか心配だ。


自爆テロは、力では防ぎようがないと思う。

それを力で防ぐことができる国家であるとするなら、

アメリカぐらい不自由な国家はないということになるだろう。


人の話によると、インターネット上で世界中を飛び交っている

様々な情報は、アメリカ軍にすべてチェックされているらしい。

「テロ」とか、「イラク」とかいう文字をHPとかメールに書くと

すぐさまアメリカ軍のコンピューターの検索に引っ掛かって

リストアップされているかもしれない。

全く窮屈な世の中になったもんだ。