さらば「九州芸術工科大学」


とうとうこの大学も今月をもって消滅するらしい。

「九州芸術工科大学」・・・

私は、この長ったらしい名前の大学のことが好きだった。

実際の中身はどうであったにせよ、

科学技術万能主義、合理主義一遍等の現代社会を反省し、

人間性の回復、人間の感性に根ざした社会の設計(広義での)

をうたった開学の理念が好きだった。

芸術工学とは今風に言えば、「癒しの学問」である。

これからの過度に科学が進みゆく現代社会、

情報化の社会を考えた場合、今後益々、芸工大ほど

その存在性、必要性が求められる大学はないはずなのに。。。

決して斜陽の大学ではないのに。。。

この不況下、九大との統合という名のもとに

あえなく消滅せざるをえなかったことは、

卒業生として本当に遺憾であり、

残念であり、もっと言えば、

卒業生の一人として、責任すら感じる。

ただただ寂しい。

九大に愛着はない。

「九州芸術工科大学」という長ったらしい名前が、

伝説の大学となって少しでも人々の心の中に

刻まれて残るように、これからの自分の仕事も

精進していきたい。

と、ここまで考えても見たが、ま。。。

あんまり関係もないか。。。?



先日、芸工大同窓会のHPの掲示板を眺めていたら、

「無気力な学生が多い九大に嫌気が差し

九大を1年足らずで辞めて、芸工大を受け直し

めでたく芸工大生となって、同じ世代の学生でも

こんなにも違うのかと芸工大生のやる気に感動を覚えた」

との、ある後輩の投稿が載っていた。

現在、この方は在学中であり、あくまでも

九大生としてではなく芸工大生として卒業したい旨の

ことを書いておられた。

こういうのを悪夢と言うんでしょうね。

気の毒としか言えないけれど、

芸工大生らしい独創的な研究に精進していただきたい。

世の中には、まったく不運な方もあるものだと思った。


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先日、上記の内容に関し、

「九大生が無気力で、やる気がないように書いてあるのは心外だ」

というご感想を、九大出身の方から頂きました。

そうですね。ごもっともだと思います。。

母校を失う側の悲痛な叫びというか

吸収する側への八つ当たりというか。。。

お許し下さい。。。