精霊の国 アトラーナ
アトラーナは小国ではあるが、それを王都ルラン、そしてレナント、ベスレムの三つの地方に分けてある。
レナントとベスレムは、王の親族が領主として独自に治めている。
王は男子のみが継承し、王の長男が第一王位継承権を持つ。
ただしドラゴンたちに認められなければ、王位を継ぐことはできないとされている。
ドラゴンとは?
火、水、風、大地それぞれに属する精霊の王。アトラーナは精霊の聖地と言われ、それぞれの神殿が建てられていたが昔、魔女の起こした災厄で壊され今は水と大地の神殿のみが残っている。
神殿にはそれぞれに巫子がいたが、火の巫女は魔女として殺され、風の巫女は寿命で死を迎えた。しかしどちらもその後巫女を欲しなかったために、現在は火と風の巫子は存在しない。
ドラゴンは魔女の厄災の時に王に力を貸して一緒に魔女を倒し、そののちアトラーナの王に忠誠を誓うようになった。
アトラーナの王子は王位継承前に13才を迎えるとドラゴンのもとを尋ね、ラーナブラッドという石に契約の証しを貰う旅に出る。
火のドラゴンはフレアゴート、水のドラゴンはシールーン、風のドラゴンはセフィーリア、大地のドラゴンはヴァシュラムドーンと言う。
人物紹介
リリス
王の長子として生まれたが、髪の色と色違いの目に驚いた両親が秘密裏に殺害しようとしたところを、風のドラゴンセフィーリアに引き取られ召使いとして育てられる。
幼少時より城から派遣された者に厳しく育てられ、徹底的に身分の低さをすり込まれたために、常に他人にはへりくだった態度で必要以上に言葉を丁寧に話す。
幼少時より魔導師としての力に優れ、小さい頃から頻繁に精神修行のため一人旅をしていたので精霊達に愛されている。
先の王子の旅に同行を許されたのは、占いもあるが現状の魔導師の中で力が最も秀でているためでもある。
ただし、身分の低さもあり魔導師の塔に認められた証の指輪を持たない。指輪があれば魔導師は騎士より上位の身分だが、指輪が無いので現在の身分に準じる。リリス自身は指輪にこだわりを持っていなかったが、セフィーリアがザレルと暮らすようになって、指輪を得ることで身分を上げ二人の正式の養子になりたいと願う。
率先して地の巫子にも教えを受けているため、風の魔導師では使えない聖なる力を呼び起こす事も出来る。普通、魔導師であれば魔導師の塔より戴くはずの杖だが、リリスはそれをもらえなかったために巫子に印の教えを請い、術のかなめを手で印を結ぶことで杖の代わりとして魔力を上げた。
火のドラゴン、フレアゴートに王の長子だと知らされたが、依然と変わらずセフィーリアの召使いとして、また個人的に親子関係を約束して暮らしていた。
(前作より、術の使い方が幅広くなってかなり変わっています。)
キアナルーサ
王の一人息子。だが、本当はリリスの双子の弟。
先の旅で何とかラーナブラッドにドラゴンの契約を貰った。
気弱で泣き虫、優柔不断でワガママとお坊ちゃま育ちのため、人の気持ちを察して気を利かせることなど無かったが、王位継承が近づき
先の旅で自信がついたことから本作では人間的にも成長している。
しかし、自分が本当に王に相応しいのか、いまだ自信がないため思い悩んでいる。
ヨーコ
現代人で中学生。用務員をしていたヴァシュラムのいた中学校に通っている。美人系で先の旅に同行。アイとのコンビでその明るさにリリスやキアンは助けられた。リリスが好きで、旅が終わったあとも想いが捨てきれないでいた。元彼の河原は振られたらしい。
中学生のわりに気丈で、芯がシャンとした心強い女性。本作では小鳥に姿を変えて現れる。
アイ
現代人で中学生。ヨーコと仲良しコンビ。可愛い系でとても明るいが、思っていることは単刀直入に声に出す。
リリスが好きだが、現代には先の旅で同行した吉井という彼がいる。
恐がりで、アトラーナでの戦闘を怖がっているが、興味があって首をつっこんでくる。
今作では、猫になって現れる。
ザレル
先の旅で同行した騎士。現在は城の親衛騎士長で、精霊であるセフィーリアの事実上の夫。
元は狂獣と呼ばれるほど戦いに明け暮れていたが、幼少のリリスに導かれ自分を知り、人間として成長した過去を持つ。リリスに恩を感じ、のちにセフィーリアの家で暮らすようになってからは彼の親として振る舞う。
セフィーリア
風のドラゴンで、神殿を再建せず魔導師を育てることに専念した。殺されそうになっていたリリスを引き取って、息子のように可愛がるが城からはそれをよく思われていない。常に城の監視を受けていた。
リリスを公然と息子宣言してからは、他の魔導師の弟子から離れてザレルとリリス、娘のフェリアと暮らしている。
フェリア
セフィーリアとザレルの娘。ザレルが子を欲しいと一言漏らしたためセフィーリアが生み出した。人間の血が半分入っているので風の精霊としては力が弱いが、精霊王の娘なのでどれほどの力を持っているかは未知数。リリスが好きで、一夜にして10才ほどの姿に成長してしまった。
ヴァシュラムドーン
大地のドラゴン。アトラーナには神殿も持ち、男性の巫子もいる。しばられるのを好まず、頻繁に現代へ逃げている。
前作では中学の用務員をしていたが、今作では商売人。意外とやり手で景気が良いようだ。
現代とアトラーナの世界は表裏一体で彼には陸続きのような物なので、彼の姿がいないからと言ってアトラーナに影響はない。
セフィーリアとは親しい友人で、リリスを預かっていた。
ラグンベルク
ベスレムの領主。現王の弟。
前作では息子のために王位を狙ってキアンを亡き者にしようとした。リリスがキアンの兄と知る人物で、苦労の絶えないリリスを非常に可愛がっている。気弱なキアンを良しとせず、今度はリリスに王位継承して欲しいと企んでいる?
フレアゴート
火のドラゴン。巫子を失ったあと山中で眠りについていたが、リリスに真実を語ったのち神殿再建のためにベスレムへ。
アトラーナで魔女と恐れられるリリサレーンはフレアの巫子だったため、彼女の生まれ変わりと赤い髪のリリスに執着している。
ゼブラ (加筆)
ゼブリスルーンレイア・レナパルドが本名。王子キアナルーサの側近。貴族の末子で幼少よりお側付きとなり、遊び相手だった。身の回りの世話が主な仕事だが、王子に助言する事も多いために王子には頼られている。元々兄が側付きとなり彼は家を継ぐ予定だったが、気弱で病弱だった兄に代わり彼が急遽側付きとされた。自身はその事で当時失った物が多く大きな失望を感じており、心の底に禍根を残している。
レスラカーン (加筆)
王の弟、宰相サラカーンの一人っ子。母は彼を産んだときに難産で亡くなった。生まれつきの盲目のため負い目に感じ、静かにひっそりと、人の迷惑にならないよう息を潜めたように暮らしていた。フェリアに出会ったことで心が変わり、人のために父の後を継ぎたいと立ち上がる。
ライア
レスラカーンの側近。使用人の子だったが、レスラと友達となり接するうちに力になりたいと剣を修行し、やがて騎士の養子となり彼の側近となる。
ゲール (加筆)
王都ルランの本城に住まう、魔導師の塔の長。遠見の予言師だが、占いで予言することもある。同じ遠見でシリウスに住まうルークの師。遠見は数が少なく、占いや予言を重視する城の重臣から大切にされる。特に力に秀でたリリスを危険視し、魔導師の指輪を与えようとしない。物語中盤で魔導師の塔を失った責任を取り、長の座をルークに渡して城を出る。
メイス (加筆)
城の魔導師の塔に住む召使い。気さくな態度でリリスの友人となるが、その本心は猜疑心に満ちて人を信じることなく憎しみに満ち、暗い心を持っている。魔導や精霊を使うことは出来ないが、その受け入れは非常に容易で相性が良く、リューズに魔導の中継点として身体を利用されていた。天涯孤独のために厳しい過去を持ち、リューズだけが頼りで彼に従順に仕えていたが、その後地の巫子やリリス達に救われる。
リリサレーン
赤い髪、赤い瞳の美しい女性と語られる。遙か昔、元は魔導に長けた火の神殿の巫子だったが、魔物払いで失敗し魔に魅入られてしまう。魔物に身体を乗っ取られ、アトラーナの山野や町を焼き滅ぼそうとしたために多大な死者や損害を与えた。やがてすべてのドラゴンを率いたその時代のアトラーナ王に倒されるが、彼女はそののち王のドラゴンマスターとしての栄誉を語り継ぐうちに「赤い髪の魔女」として言い伝えられ恐怖の対照となってしまう。しかし彼女自身がアトラーナの王の娘だった事は、王の口伝のみで知られていない。
リリスの赤い髪と片目に見られる赤い瞳は、時折生まれる王家の遺伝と見られる。
通常赤い髪の子供が生まれると、即時殺害されてきた。
ガーラント
レナントへの旅立ちのおり、心配したザレルがリリスの庇護を託した騎士。しかしその一方で、彼はリリスの暗殺を何者かに命令されており、野営の中暗殺を謀るが失敗する。しかしそれを責めるわけでもなく受け入れ、自らの力で切り抜けると話すリリスの言葉にうたれ彼の元で働くことを決めてゆく。
リューズ
隣国トランの魔導師。顔半分を仮面で隠し、見た目美しく小柄で華奢な青年。国王に寵愛され、何よりその言葉を重んじられる存在となりつつある。配下の魔導師は顔を持たず、姿があるのかさえわからない不気味な存在。しかしその実体は青年の身体を乗っ取った、かつてリリサレーンを操りアトラーナを破壊し尽くした魔物。トランを操り、アトラーナに再び戦火を巻き起こそうとしている。
ガルシア
トランとの国境を接するレナントを納める若き領主。王族の一人。気さくで人を平等に見るその人柄は、領民の信望も厚く愛されている。父親が病気のために領主の座を早く退いたため、若くして領主の座を引き継いだ。リリスを魔導師の前に、子供として子供らしく扱う。諍いの多かったトランと、一時は国交を良好にして国境を安泰に導いた賢者。しかし、再度その矢面に立たされる。
ギルバ
王都ルランから共に来た騎士。年長で豪快な男だが、考えが保守的で身分にとらわれるところがある。レナントへの旅の途中、リリスを不吉だと混乱に乗じて殺そうとした。
ミラン
レナントの若い騎士。気の弱いところがあるが、寛容で穏やかなやさしい青年。ギルバの案内をしていてリリスと出会う。
グロス
レナントの魔導師。地に属する老齢の、経験豊かな魔導師だが戦いに接したことは少なく、力不足に悩む。
ルネイ
レナントの魔導師。水に属し、レナントの魔導師の長で、魔導師の塔の長ゲールとは親交も厚い。リリスを毛嫌いするゲールの言葉を無視して、リリスを自分の目で見ようとする。主に結界が得意。
イネス
地の神殿の巫子。アルピノで色素の抜けた髪や身体の色、瞳は赤っぽい。リリスより4つ年上で、14の頃にリリスと出会い、以降身分を超えて最も親しい友人になった。リリスが大好きで年上だが甘える事が多い。
巫子は生まれる前より巫子として神殿に来ることが決まるため、その出生は不明。地の巫子は男性のみで数人がおり、武道や術に優れ戦う巫子として知られ、百合の紋章から百合の戦士と呼ばれることもある。
巫子の中でも非常に短気で怒りっぽい。反面、寂しがり屋で暗闇恐怖症。人の気持ちを案じては泣くことも多い純な性格。
ヴァシュラムから、リリスとは魂の双子と言われている。
サファイア
イネスの従者。サファイアは本名ではなく、名は継いで行く。巫子の従者は決まった一族の出とされ、従者同士は親族である。
沈着冷静、冷めた物言いでイネスの気を逆なですることもあるが、イネスより年長であるため時折怒りに暴走するイネスを御す事に長けている。
セレス
地の神殿の巫子。金の髪に緑の瞳、絵に描いたような美少年である。
優しい中に強さを持つ人望熱い巫子だが、二重人格的な裏の顔を持っている為に、ヴァシュラムには腕輪状の枷を着けられ常に監視されている。
ヴァシュラムとは巫子以上の付き合いがあるような言葉を発することもあるが、巫子でも謎が多い。
得意技は呪い返しの「ハリセン返し」、だがハリセンが何なのかアトラーナでは謎らしい。
ルビー
セレスの従者。サファイアの弟で本名ではない。名は継いで行く。
従者となった頃は家が恋しく泣いてばかりの気弱な少年だったが、戦いの実力は兄を凌ぐ物もある。
成長するごとにセレスの性格にも慣れ、彼のストッパー的存在。
レイト
ガルシアの小姓の青年。
元は名主貴族の使用人だったが、旅の途中で盗賊に襲われ主を救えなかったことから放浪、ガルシアに拾われる。
身分は低いが聡明で手先が器用なことから、ガルシアが父の猛反対を無視して小姓とする。
ガルシアの一番の気に入りだが、足が悪い為に十分な勤めができないことを心苦しく思っている。
ブルース・ザナフィー
レナントの騎士。城の兵をまとめ上げる二番騎士隊長でもある。リリスが魔物と繋がっているのではないかと噂が走り、城内が不穏な空気に包まれたとき、皆の前でわざとリリスに声を上げたことで彼の本音を引き出し、皆の誤解を解いた。
しかしその本音が思った以上の物であり、以後リリスに一目を置く。
ルーク
ゲールの弟子で、師を凌ぐ先見の力を持っていたために特別に王からシリウスに城を与えられていた。ゲール引退後は城の魔導師の長となり、事実上アトラーナ全体の魔導師の長となる。まだ若く、人間的にもおおらかで人を見る目があり慕う魔導師も多く、長を継いでからは城の魔導師を大幅に入れ替えて刷新を図った。今のアトラーナに対しては危機感も大きく、結界に長けた魔導師を増やしたために結界も強固となり、メイスを失ったリューズには大きな障害となっている。
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