国の登録有形文化財に…加藤・鵜殿・西川家住宅など

 国の文化審議会(会長=石澤良昭氏)は26日、新たに登録すべき文化財について塩谷文部科学相に答申した。本県関係では島原の伝統的町屋3か所を含む計4か所11件を登録有形文化財(建造物)に登録するよう盛り込んだ。

 登録文化財制度は保存と活用の措置が特に必要とされる文化財を国が文化財登録原簿に登録する制度。届け出制と指導・助言・勧告を基本とする緩やかな保護措置を講じる制度で、強い規制がある指定制度を補完するもの。現状を一定以上変更する場合など届け出が必要となるが、登録されると修理の設計管理費の一部助成や改修資金の低利融資、税制面などで優遇措置が受けられる。

 答申に今回盛り込まれた島原の伝統的町屋は、同市有明町大三東の加藤家住宅(加藤覚氏所有)、同上の町の鵜殿家住宅(鵜殿寿子氏所有)、同白土町の西川家住宅(西川俊治氏所有)の3か所9件。

 加藤家は木造瓦葺き平屋建て(272平方メートル)の主屋(渡廊下付)と井戸、住宅門、住宅表土塀、住宅裏土塀の計5件。明治時代前期に建築された町屋で、酒造業を代々営み、現在も建物の一部が酒屋の店舗として使用されている。主屋の上下2段屋根のうち下屋を深く下ろし、座敷に面して庭を造り、塀で囲む構成は島原街道沿いの町屋特有のもの。地域の伝統的町屋の典型として貴重で、登録基準の「造形の規範となっているもの」に該当する。

 鵜殿家は木造瓦葺き2階建て(216平方メートル)の旧主屋と主屋、住宅土蔵の計3件。島原城の東側に位置する町屋で、1842年(天保13年)に建築された。通りに面して下屋を深く下ろす漆喰塗りの商家建物。かつて薬屋として使用されていたが、現在はギャラリーとして活用されている。建築年代の明らかな当地最古の町屋として貴重。登録基準の「国土の歴史的景観に寄与しているもの」に該当する。

 西川家は木造瓦葺き2階建て(144平方メートル)の主屋。島原街道沿いに建つ町屋で、1909年(明治42年)に建築された。漆喰塗りの建物で、屋号を「あめや」といい、当初は農家として使用されていた。通りに深く下屋を下ろす島原の伝統的町屋の典型として貴重。登録基準の「造形の規範となっているもの」に該当する、という。

 本県からはこのほか、鉱山技師が建てた近代和風建築の鮎川家住宅(主屋と石垣・石段の計2件)=平戸市=が盛り込まれた。これらが登録されると本県所在の登録有形文化財(建造物)は36か所84件。島原市内では平成15年の7件以来2度目の答申で、合わせて10件19物件となる。

[2008/09/28:島原新聞]

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