国の登録有形文化財に…加藤・鵜殿・西川家住宅など

 国の文化審議会(会長=石澤良昭氏)は26日、新たに登録すべき文化財について塩谷文部科学相に答申した。本県関係では島原の伝統的町屋3か所を含む計4か所11件を登録有形文化財(建造物)に登録するよう盛り込んだ。

 登録文化財制度は保存と活用の措置が特に必要とされる文化財を国が文化財登録原簿に登録する制度。届け出制と指導・助言・勧告を基本とする緩やかな保護措置を講じる制度で、強い規制がある指定制度を補完するもの。現状を一定以上変更する場合など届け出が必要となるが、登録されると修理の設計管理費の一部助成や改修資金の低利融資、税制面などで優遇措置が受けられる。

 答申に今回盛り込まれた島原の伝統的町屋は、同市有明町大三東の加藤家住宅(加藤覚氏所有)、同上の町の鵜殿家住宅(鵜殿寿子氏所有)、同白土町の西川家住宅(西川俊治氏所有)の3か所9件。

 加藤家は木造瓦葺き平屋建て(272平方メートル)の主屋(渡廊下付)と井戸、住宅門、住宅表土塀、住宅裏土塀の計5件。明治時代前期に建築された町屋で、酒造業を代々営み、現在も建物の一部が酒屋の店舗として使用されている。主屋の上下2段屋根のうち下屋を深く下ろし、座敷に面して庭を造り、塀で囲む構成は島原街道沿いの町屋特有のもの。地域の伝統的町屋の典型として貴重で、登録基準の「造形の規範となっているもの」に該当する。

 鵜殿家は木造瓦葺き2階建て(216平方メートル)の旧主屋と主屋、住宅土蔵の計3件。島原城の東側に位置する町屋で、1842年(天保13年)に建築された。通りに面して下屋を深く下ろす漆喰塗りの商家建物。かつて薬屋として使用されていたが、現在はギャラリーとして活用されている。建築年代の明らかな当地最古の町屋として貴重。登録基準の「国土の歴史的景観に寄与しているもの」に該当する。

 西川家は木造瓦葺き2階建て(144平方メートル)の主屋。島原街道沿いに建つ町屋で、1909年(明治42年)に建築された。漆喰塗りの建物で、屋号を「あめや」といい、当初は農家として使用されていた。通りに深く下屋を下ろす島原の伝統的町屋の典型として貴重。登録基準の「造形の規範となっているもの」に該当する、という。

 本県からはこのほか、鉱山技師が建てた近代和風建築の鮎川家住宅(主屋と石垣・石段の計2件)=平戸市=が盛り込まれた。これらが登録されると本県所在の登録有形文化財(建造物)は36か所84件。島原市内では平成15年の7件以来2度目の答申で、合わせて10件19物件となる。

[2008/09/28:島原新聞]

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仕事の魅力などを学ぶ…土地家屋調査士ってな~に? 三会中でキャリア教育

 島原市・三会中(増田登校長)で25日、地元の社会人を講師に招いて職業意識を高める授業が行われ、1年生53人に対し、同市桜門町の土地家屋調査士の中川忠則さんが仕事の魅力や勉強の大切さについて語った。

 近年ニートやフリーターの若者が多いことに鑑み、早期から仕事に対する意識を高め発達段階に応じた学習機会をつくろうと、3年間を通じて正しい勤労観や職業観を醸成するキャリア教育の一環で実施。地元で活躍する社会人に動機や苦労、やりがいなどを語ってもらい、生徒らに「将来どんな社会人になりたいか」について考えてもらう機会として開いた。

 中川さんは土地の単位1坪(約3.3平方メートル)の広さを畳表2枚で示しながら「東京では数千万円、島原では数十万円」と価値の違いがあること、土地の所有権が国によって守られることや土地家屋調査士の役割を語り、質問を交えながら授業を進めると、積極的に答えるなど興味津々になって聞き入る生徒ら。

 土地の面積などを図面にあらわす際に中学校で習った数学が役に立っていることや「辞書をひきながら教科書を何度も読み返し、自分でノートにまとめる」という勉強法についても語り、「勉強は自らが働き生きるためにするもの。正しい答えが出なくても失敗を繰り返しながら学び、掃除をして人としての心をみがいてほしい」などと呼びかけた。

 最後に生徒代表で太田七海さんが「知らなかった土地家屋調査士の役割が分かり、資格を取る大変さも知った。自分に合った仕事を考えて勉強を頑張りたい」とお礼を述べた。

[2008/09/28:島原新聞]

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映像伝送訓練など実施…水無川で土石流発生を想定

 国土交通省九州地方整備局の長崎河川国道事務所(長崎市宿町)と雲仙復興事務所(島原市南下川尻町)は26日、南島原市深江町大野木場で大規模災害に備えた緊急通信網の確保訓練に取り組んだ。

 大規模災害時における迅速な情報収集に対応するため衛星通信回線や地上通信回線を使った防災通信機器の設営や操作訓練を行い、緊急出動に向けた操作の習熟および防災に対する意識高揚を図るもので、県内で毎年実施している。

 訓練は、24日から島原地方で降り続いた豪雨の積算雨量が200ミリを超え、水無川で土石流が発生し国道57号に埋設した道路管理用光ケーブルが断線され被災地の情報を入手できない状態を想定し、九州地方整備局(福岡)に災害対策本部、両事務所に災害対策支部を設置し、被災地の情報収集にあたったもの。

 訓練場所の旧大野木場小校庭では長崎河川国道事務所の福留泰男防災課長ら約10人が参加してカメラ搭載気球(容量20立方メートル)や小型画像伝送装置を設営し、それらを操作して空中や地上から撮影した映像を衛星通信や独自の通信システムを使って九州地方整備局に伝送する訓練に取り組んでいた。

[2008/09/27:島原新聞]

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何故「宝生」から「金剛」へ…島原藩の能楽-忠候時代、川島朋子准教授が研究

 江戸時代、島原藩は地方都市でありながら元禄期に宝生流、文化文政期には金剛流の能楽が武士や商人、農民に至るまで広く浸透し、親しまれていた-。

 そう話すのは、中世国文学(芸能史)が専門で室町時代の物語や能楽・狂言の研究に取り組んでいる明石工業高等専門学校准教授・川島朋子さん。国の科学研究費の助成を受け、平成18年度から島原藩松平文庫の能楽関係資料の調査研究に着手、今年3年目になる。この秋9月18日にも来島し、3日間『藩日記』など史料を閲覧。新たに判明した忠候時代(文政2~天保11)の状況などを話した。

 川島さんが最初に目をつけたのは、「文政七年 喜多尾久右衛門 借写」の奥書きがある大蔵(おおくら)流の狂言台本『間狂言(あいきょうげん)』だった。

 その途次、松平忠房時代(寛文9~元禄13)に姫路藩でおきた能伝授のもめごとに関する記録『宝生太夫正月七日播州江参候物語聞書』を発見し、島原松平藩時代初期の流派が「宝生流」であったことを突きとめた。

 ところが、宇都宮時代の25年間を経て再度島原に帰還したのち、忠恕、忠馮、忠候の後期「化政文化」期に入ると、一転して「金剛流」に変わっている。それは、天保3年(1832)忠候が筆写した『乱伝書』等の一連の能楽史料のうち、『道成寺』なる資料に、藩主に稽古をつける能役者「大友勘之丞」の名前が見え、『島原藩日記』に彼の名前とともに「金剛右近」あるいは「金剛大夫」が出てくることが一つ。ほかに、『謡本』のなかに「下懸(しもがか)り」と明記されてあることからも判断される、という。ちなみに能楽五流派のうち、「下懸り」は金剛、金春、喜多の三流派。観世と宝生は「上懸り」にそれぞれ分けられる。

 「大友勘之丞」は、松平藩主の江戸藩邸で抱えられた専属の金剛流能役者であり、代々「勘之丞」を襲名したらしい。文化2年(1805)の島原藩役職人の記録『藩中人数割』には、「大友勘之丞伜(せがれ)大友福三郎」とある。つまり、「大友福三郎」が文政2年(1819)に藩主に就いた忠候時代の「(のちの)勘之丞」。彼の父も「大友勘之丞」を名乗り、忠馮もしくはそれ以前の忠恕時代、「金剛流」能を指南していたと判断されるのだ。

 問題は、前期松平島原藩の「宝生流」が、宇都宮時代を経た後期に何故、「金剛流」に変わったかだが、川島准教授によると「何らかのきっかけがあったと思われるが、今のところ不明(調査中)」とのこと。その変わり目と思われるのが"謎"の宇都宮時代。今回、同期の『藩日記』を中心に資料を閲覧・調査を進めた。

 「忠馮、忠候は島原大変の災害のあとの藩主。こんにちの島原と重なる事情もある。文政13
年(忠候時代)には、能を"百姓たちに見せた"ことも記録されているし、大変な時代に芸能が果たした役割もあるかも-」と添えた。

[2008/09/27:島原新聞]

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島原半島の現地を審査…日本ジオパーク委員会

 島原半島内の貴重な地質や歴史的地層などを網羅した地質公園「島原半島ジオパーク」として世界ジオパークネットワーク(GGN)への国内初加盟を目指している半島で23、24日、国内の審査機関「日本ジオパーク委員会」(委員長=尾池和夫京都大学総長)による現地調査が行われた。

 半島3市が一体となり今年2月に「島原半島ジオパーク推進連絡協議会」(会長=吉岡島原市長)を設立しGGNへの国内第1号加盟を目指しており、6月にドイツであった第3回世界ジオパーク会議で半島の魅力をアピールし、7月に同委員会に申請書を提出したところ。現地調査は申請を受けて行われたもので、申請した北海道の有珠・洞爺湖など5地域のうち、同委員会の審査による"国内選抜"で選ばれた3地域のみがGGNへ加盟申請される。

 現地調査を行ったのは同委員会の伊藤和明氏(NPO法人防災情報機構会長)ら3委員で、雲仙市の千々石断層や雲仙地獄、南島原市の大野木場、島原市の千本木、北上木場町などで断層や雲仙・普賢岳噴火災害の火山活動跡などを視察し、▽約210年前の島原大変と平成噴火時の官民一体の復興事業をよりアピールすべき▽看板の地質分野の説明不足?などと指摘。伊藤委員は「火山を中心にまとまっているが、山体崩壊と大津波のあった島原大変は世界的にみても驚くものであり、安中三角地帯の嵩上げ事業などは地域と一体となった復興モデルとしてよりPRすべき」と述べた。

 現地調査を受け同連絡協議会の杉本伸一事務局長は「課題が多いことを実感した。他地域と比べ何がウリなのか重点的アピールポイントを整理してGGN加盟申請にのぞみたい」と話した。選定される3地域は10月20日の同委員会第3回会合で決定される。

[2008/09/26:島原新聞]

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農高生が介護技術を学ぶ…福祉に対する意識高める

 福祉・看護について学ぶ島原農高の生活福祉科2年生27人が22日、介護技術について学び、福祉に対する意識を高めた。

 長崎女子短大による出前講座で、授業の一環で実施し、同大生活福祉専攻の井手口弘明講師が指導。生徒らは心身を支えることが本質の「福祉の精神」や介護が必要なお年寄りの負担を軽減する方法「ボディメカニクス」などについて学び、ベッドから車イスへの移動やベッドから起こすなど基本的な介護技術も実践し、腕の力だけでなく両足の体重移動で無理なく相手にも負担をかけずに介護できることを学んだ。

 井手口講師は、短大など卒業と同時に無試験で国家資格が取得できる現行制度が平成23年度入学者まで適用されることもアドバイスし、「福祉は生活全体を支援するものであり、何が不自由なのかを見出して重点的に援助してあげてほしい」などと呼びかけた。

 看護師の母親の影響で将来介護分野への就職を目指す本田美希さんは「相手への気配りの大切さや難しさを学んだ。今日の体験を将来の糧にし、日ごろから近所のお年寄りと接する時も意識してゆきたい」と話していた。

[2008/09/25:島原新聞]

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『仲間の大切さ』を学ぶ…有明中吹奏楽部演奏会

 有明中学校吹奏楽部の第十八回定期演奏会が21日(日)、有明文化会館グリーンウェーブであり、73人の部員がハーモニーを披露。仲間や恩師、地域住民とともに演奏の喜びを共有した。

 同吹奏楽部は、自校の諸行事はもとより近隣校や地域の諸イベント等にも積極的に参加し、貢献している。最大の目標は県吹奏楽コンクールだが、今年は7月の県央大会で「惜しくも銀賞」。それでも、顧問の太田恭子、村里孝子両教諭のもと「毎日、熱心な練習」に励み、「実力的には上位の学校とほとんど変わらない演奏を見せてくれた」。

 現在、部員数は73人。これは半島内では最大で、広い音楽室が狭くなるほど。その切磋琢磨の中で得たものは、音楽(楽器)演奏の技術以上に「あいさつ」「返事」などの「礼儀」と、「人を思いやる心・気配り」を異口同音に上げる。部員らは「集団行動」のなかで「仲間の大切さ」「みんなの音が合わさって音楽ができる」ことを学び、人間として確かな成長をしているのだ。

 演奏会は、有明少年少女合唱団、コールマーマ・レードの賛助出演を含めて四部で構成。県コンクールで披露した「ブライアンの休日」「アブサロン」をはじめホカホカの一年生だけによる「インツー・ザ・ライト」。

 先輩2~3年生の、クラシック25曲をメドレーで綴った「のだめコレクション」、総勢73人による「シング・シング・シング」。最終ステージではマーチング演奏、「ゲゲゲの鬼太郎」、夢と希望を主題にした野球ドラマ「ルーキーズ」の主題歌「キセキ」など、見事なチームワークで演奏。林田裕里部長(3年)は、「7月の地区予選(コンクール)の悔しさを胸に、一生懸命練習した。きょうは3年間の思いを込めて演奏した。顧問の先生、地域の方々が支えてくださったお陰です。ありがとう」と感謝のことばを添えた。

[2008/09/23:島原新聞]

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月1万6千の大台に…島原市観光ブログが人気、アクセス件数が急増

 島原市商工観光課が運営するインターネットの観光ブログ「島原よかとこ案内人による ここがよかばい」のアクセス件数が先月、1万6000件の大台を突破した。長崎経済研究所のレポート(既報)でも紹介したように、これからの高度情報化時代における観光振興に役立つものと期待がかかる。

 同課では昨年度からこの観光ブログを始めたが、アクセス件数は月平均5000件だったものがことし急増。1~3月は約8000件、4~6月は1万~1万1000件、7月には1万3000件に増え、8月は1万6000件を超え右肩上がりで推移している。

 1か月のページ別アクセス数が多かったのは「島原のそうめん流しはここだけ~宇土出口そうめん流し~」717件、「島原温泉ガマダス花火大会」397件、「かんざらしマップ」365件など。独自の観光素材が人気を集めており、島原が舞台となった映画「まぼろしの邪馬台国」や「同窓会」など話題性に富んだものが好評のようだ。

 同課では「情報の更新に心がけ、さらに魅力ある観光ブログにしていきたい。街歩きなど実際に出向いて観光客の目線で情報を発信できれば-。グルメ時代を反映して食べ物の問い合わせも多いので島原独自の素材を取り上げ、観光振興に役立てたい」としている。

[2008/09/21:島原新聞]

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ラッピング列車を運行…まぼろしの邪馬台国上映記念

 吉永小百合さん・竹中直人さん主演の話題の映画「まぼろしの邪馬台国」が11月から全国公開されるのを記念し、島原鉄道(株)は10月6日から、映画の情景をあしらったラッピング列車「まぼろしの邪馬台国号」の運行を始める。

 同映画は同社の重役で第1回吉川英治文化賞を受賞したベストセラー「まぼろしの邪馬台国」を著した宮崎康平氏(故人)と和子さん夫妻を描いたもの。11月1日から全国ロードショーされるが、島原半島地域の活性化にも役立つものと大きな期待が寄せられている。

 ラッピング列車は島原~諫早間に急行・普通列車合わせて1日3往復、来年3月31日まで運行する。時刻は島原駅発が午前8時42分、同11時20分、午後2時56分、諫早駅発が午前9時55分、午後0時50分、同4時22分の計6本。検査・点検など都合で運転できない日もある。

 運行開始に先立ち同列車の発車式典が5日午前10時20分から、諫早駅で行われる。康平役を演じた個性派俳優の竹中さんや、吉永さんが演じたヒロインのモデルとなった和子さんによる鏡割り、竹中さんの1日駅長任命式などがあり、出発式を開催。島原駅でも同日正午ごろから歓迎式典があり、園児によるマーチングなどが披露される。

 一方、JR九州長崎支社では5日、「『まぼろしの邪馬台国号』で行く島原日帰りの旅」(有料)を開催するため、長崎・佐世保地区を対象に参加者40名を募集している。同ツアーは竹中さんの合図で諫早駅を出発し、島原駅ではロケ風景の写真を見学。食事や入浴ができる島原観光ホテル小涌園では和子さんの話が聞ける。実際にロケ地等も観光するなど映画の世界を一足先に満喫できるもの。問い合わせは同支店(TEL:095-822-4813)まで。

[2008/09/20:島原新聞]

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『みんなで語ろう 棚田の未来』…第14回全国棚田(千枚田)サミット

 全国各地の棚田を有する自治体関係者や保全活動団体などが集い、棚田の保全や地域活性化について考えを深める第14回「全国棚田(千枚田)サミット」(主催=全国棚田(千枚田)連絡協議会、主管=同サミット実行委員会)が10月16~18日、雲仙、長崎両市で開催される。平成7年に高知県梼原町で開催されて以降、棚田を有する佐賀や長野、三重県などで開催され、本県では初開催。約1500人が参加予定。

 サミットは棚田保全に取り組む団体や個人が集まり、環境保全や生産の場としての水田、文化遺産としての棚田保全の意義や必要性をお互いに理解し合い、都市住民など多くの国民の理解と合意を得て本格的な中山間地域の活性化につなげることが目的。棚田を次代に引き継ぎコメづくりや環境保全など将来について大いに話し合おうと願いを込め、「みんなで語ろう、棚田の未来」をテーマに設定した。

 今回のサミットでは、平成11年に農林水産省の「日本の棚田百選」に選ばれた長崎市外海地区の大中尾棚田(8ヘクタール、約450枚)と雲仙市千々石町岳地区の清水棚田(33ヘクタール、約700枚)の2か所が見学会場に。双方とも「岳棚田プロジェクト21」などと組合や団体を組織し、棚田の保全活動や棚田米の生産向上、地域活性化に務めているほか、大中尾では案山子コンテストや棚田オーナー制度、清水では岳棚田収穫感謝祭や児童の棚田体験事業などの地域イベントも開催されている。

 16日は午後1時から長崎市の県立総合体育館で開会式があり、東京農工大学の千賀裕太郎教授が「みんなで語ろう、棚田の未来」と題して講演し、大中尾棚田の見学会などが行われる。17、18両日は雲仙市が主会場になり、17日午前10時から千々石町の清水棚田見学会、午後2時から市内各会場で5つの分科会が開かれ、午後6時から雲仙メモリアルホールで全体交流会へ。18日は午前9時半から同ホールで千々石二小の児童による事例発表や分科会の発表があり、共同宣言の採択などを経て閉幕する。

 9月17日には長崎市の県立図書館で同サミット実行委員会(会長=奥村雲仙市長)の第4回委員会が開かれ詰めの協議が行われたほか、棚田現地見学会で出される地元の食材をふんだんに使った昼食の弁当の試食会もあった。弁当はサミット2日目の清水棚田見学会で参加者にふるまわれ、このほかガネ汁など地元料理でもてなすことになっている。

 分科会や現地見学会など宿泊を伴わないイベントの一般参加者も随時募集しており、事務局の雲仙市観光物産まちづくり推進本部(TEL:0957-38-3111)へ。

[2008/09/20:島原新聞]

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上智大のソフィア祭でPR…雲仙産「ロマンスポテト」、聖地で愛と勇気のエネルギー

 11月1~3日開催の上智大学(東京都)の学園祭「ソフィア祭」で雲仙市愛野町特産のジャガイモを「ロマンスポテト」と銘打って販売する学生ら3人が16日、奥村市長を表敬訪問した。島鉄愛野駅が日本ロマンチスト協会の本部になるなど「ロマンチストの聖地」である同市の協力を得て、都会で"愛のポテト"をPRする。

 同協会が語呂合わせから6月19日を「ロマンチックの日」に制定し、今年この日に愛野町で「ジャガイモ畑の中心で愛を叫ぶ」を初めて開催。若者らの愛の告白などその勇姿をテレビ放送や新聞記事で知った学生が感動し、「ロマンチストの学生が増えることで充実したキャンパスライフを送ってもらえたら」と、サークル活動の一環で企画した。

 この日、同大経営部3年の岩村真さんや経済部1年で出店リーダーの勝野梢太さんと同協会関係者が市役所を訪れ、思い入れを訴え企画内容をプレゼンテーション。奥村市長は「心強い提案であり、ジャガイモを使った地域限定商品のアイデアなど若い方の意見もいただきたい」と述べ、「聖地・雲仙のロマンスポテトを若い学生にお洒落にPRしてもらい、ぜひ成功させてほしい」とエールをおくり、かごに盛った「ロマンスポテト」をプレゼント。

 「聖地で愛と勇気のエネルギーを得た。インパクト大のロマンスポテトはウケるはず」と思いを強くする学生たち。ソフィア祭では「ロマンス色」のピンク色の店構えの「すいも甘いも」を出店し、焼き芋と焼きジャガを売り出すことにしており、市はジャガイモやジャガ畑の土などを提供しバックアップする。

 同市観光物産まちづくり推進本部によると、東京での市特産品のPRは県東京事務所を通じた県産品販売の機会ぐらいしかないという。同協会では男女間のロマンスの大切さを呼びかけるとともに、これを第1弾として「ロマンスポテト」の販売を広く推奨してゆく計画。

[2008/09/14:島原新聞]

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さあ!!いらっしゃいませ…「島商ップ」今年もオープン、がまだす「空き店舗復活班」

 島原商高(楠田恭子校長)の生徒自らが企画・運営し、仕入れや販売など実践的に商売を体験することでビジネスの基本を学ぶ「島商ップ(しましょっぷ)」が13日、島原市中堀町の重松花屋隣りの空き店舗にオープンした。毎日営業ではないが、オープン記念につき14、15日も営業する。

 3年生が地域に密着した課題について研究を深める授業の一環で平成16年度から開店しており、5年目。運営するのは商業科3年の石橋寛希君ら3年生14人の「空き店舗の復活」班。昨年度までは行政の公的援助があったが、今年は自己資金で運営し、中堀町商店街協働組合(隈部政博理事長)と島原商工会議所が家賃やチラシ制作などの面でバックアップ。

 午前10時からあったオープニングセレモニーには吉岡市長や濱本磨毅穂(まきほ)県島原振興局長などが出席し、同校バトン部が華やかにパレードし、同じく課題研究で不知火太鼓に取り組む3年生の力強いバチさばきで祝福。

 楠田校長は「地元商店街の協力に感謝。地域と連携した取り組みは教室では学べないものが多いはず。生徒たちには生まれ育った島原を理解してもらい郷土愛を深めてもらうことで、将来の地元を担う人材に育つことを願いたい」とあいさつし、隈部理事長が「商いのリアリティーを存分に体感してほしい」などと期待を込めたあと、生徒らが1列に並んで「いらっしゃいませ!」。

 約20坪の店内には五島うどんなどの食品や手づくり小物、アクセサリー、お菓子などがずらりと揃い、初日は多くの客でごった返すなか、生徒らは「ありがとうございます!」などと元気な声を出しながらレジ打ちや接客に追われていた。

 12月24日まで放課後や授業時間を使って営業し火曜日午後4時~6時、金曜日午後1時~6時、土曜日午前10時~午後5時に開店。日曜日は休み。営業日ごとに目玉商品を準備し来客を出迎える。

[2008/09/14:島原新聞]

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怖い体験を学び継承誓う…大野木場メモリアルデー2008、まるで地獄-旧校舎の焼失

 雲仙・普賢岳噴火災害時の平成3年9月15日の火砕流で旧校舎が焼失した南島原市深江町の大野木場小(渡邊林校長、児童142人)は12日、「大野木場メモリアルデー2008」を行った。当時、同小5年生だった大山秀樹さんが「災害を振り返って」と題し、子どもの目線で当時の様子を語り聞かせた。

 大火砕流が発生した平成3年6月3日、「まるで地獄のような風景。怖くて何も考えずにひたすら逃げた」ことが記憶に残る。「当時4つの『小学校』に通った」-自宅が旧校舎の近くにあったため、家族とともに避難生活を余儀なくされ、避難先での授業や仮設校舎での学校生活を繰り返したから。けれど「避難先には友達もいたから、辛いよりも楽しかった思い出が強いかな」。

 消防団員として奔走していた父も一緒になって仮設住宅で暮らし始めたある日の夜、「大野木場の方が燃えよる」と声を聞いた。それが旧校舎や家屋を奪った火砕流だったことを翌日に知った。校舎は焼け、周囲は一面火山灰に覆われていた。「受け入れるしかなかった。けれど、同時に『山に負けるもんか』という思いも強くした」。

 いまは中木場保育園の保育士として働きながら島原市新湊2丁目に妻の絹子さんと愛娘の華美ちゃんと一緒に暮らす。「我が子にも自分の母校に通ってもらいたい」という願いがあり、「当時の子どもの目線でいまの子どもたちに自分の経験を伝えれば、後世にもつながるはず」-そう思い講師を引き受けた。最後に「先生や親、友達、地域の人たち、全国からの励ましという自分を取り巻く全ての人の支えがあったから、笑顔を忘れずに過ごすことができた。どうか平成3年9月15日のことを忘れないで下さい。その日は校舎を失った日であり、その日は大野木場が復興に向けてスタートした日でもあるから」と語りかけた。

 メモリアルデーは、噴火災害の記憶を後世に伝えるとともに、砂防事業の重要性や防災に対する意識を高めるために毎年実施。5年生27人は7月に砂防施設などについて学んだ災害学習の成果を発表し、国交省雲仙復興事務所は現在の雲仙・普賢岳と防災事業について解説をした。最後に児童らが、火砕流で焼けながらも再生した旧校舎校庭のイチョウのたくましさを歌った「生きていたんだね」を合唱し、災害を継承してゆくことを誓った。

[2008/09/14:島原新聞]

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ペンタスなどを贈る…EM菌を活用・きれいに咲いた花、島原中央高校が10か所に

 EM菌(有用微生物群)を活用した植物栽培に取り組む島原中央高(古瀬正昭校長)はこのほどヒャクニチソウとペンタスの2種類の花を咲かせたプランターを島原市役所や島原駅、島原復興アリーナなど約10か所に贈った。

 同校は平成18年度から県の「ながさき私学活性化事業」の指定を受け、ボランティア活動やインターンシップ(体験就学)に取り組んだ生徒に単位を認定するなど独自の「がまだせプロジェクト」を展開しており、EM菌を活用した事業もその一環で昨年から取り組んでいる。

 生徒会長の栗田和志君(3年)ら約20人の生徒会の活動の一つ「EM菌ボランティアグループ」として育ててきたもので、EM菌により虫がつかず、きれいに開花。このほど生徒の実習の場や試験会場などとしてお世話になっている福祉施設や公的施設などに届けて、赤紫色や白色の花が来訪者を出迎えている。

[2008/09/13:島原新聞]

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市民清掃で156トン…試験的に草の堆肥化も

 島原市は7日、恒例の「秋の市民清掃」を旧島原地区で行い、市民らが地域清掃に汗を流した。

 旧島原地区では毎年、春と秋の年2回(有明地区は年3回)実施している。同日早朝、市の防災行政無線の呼びかけに応じて市民らが午前8時ごろから、鎌や箒を手に道路脇や石垣など住まい周辺を中心に地域の清掃を行った。

 集められた草や木の枝は市の収集車6台と業者から借り上げた車両37台で2日間かけて回収。延べ333台分のごみを同市前浜町の東部リレーセンター横に仮置きした。総重量は156トンにのぼり、大半は約1か月かけて処分する。このほか土砂は島原総合運動公園テニスコート東側の土砂置き場に運び込んだ。

 回収した156トンのうち草11トンはEM菌を混ぜて試験的に堆肥化に取り組んでおり、成功すれば来年度から本格的に取り組む、という。

[2008/09/12:島原新聞]

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日本で第一号目指し…ジオパークガイド養成講座、大学生など37人が受講

 火山現象跡など島原半島に点在する地質スポットの魅力を来島者に紹介するボランティアガイドを育てる「島原半島ジオパークガイド養成講座」が10日夜、島原市森岳公民館で始まった。来年3月まで月1回計7回開催され、3市で計52人が受講する。

 地学的観点から貴重な地質遺産を数多く含む自然公園「ジオパーク」の"国内初認定"を半島3市が一体となって目指す組織「島原半島ジオパーク推進連絡協議会」(会長=吉岡島原市長)が主催。講座は3回の講義と実際に半島の地質スポットを見て回る野外巡検が4回行われ、現場で地層などをじかに見て、さわって体験してもらう。

 開講に先立ち吉岡市長は「ジオパークとして世界ジオパークネットワークに認められるためには組織と体制づくりが大事であり、ガイドの養成も必要。雲仙が昭和9年に国立公園第1号となったように、日本で第1号のジオパークを目指したい」とあいさつ。

 初日は観光ボランティアガイドの市民や大学生など37人が受講し、雲仙・普賢岳の溶岩ドームの成長過程を写真で記録するなど地学に詳しい県教育センターの寺井邦久主事が講師となり、地球を覆うプレートが爪の伸びるスピードと同じぐらいの1年に5センチほど動いていること、愛野展望台など身近に見ることができる断層が多数あることなどについて映像を使いながら紹介。

 また、平成2年11月に始まった噴火災害当時の映像や自身が撮りためた写真などを観てもらい当時を思い出してもらいながら、「皆さんは実際に噴火災害を経験されたと思う。当時のことを思い出すことが大事であり、半島にいらっしゃった方にその経験を話していただければいいんです」と呼びかけた。

 ジオパークをテーマにした卒業論文に取り組む長崎大環境学部4年の尾崎祐未さんは「身近なところに地層があることを知った。講座を通じてもっと学びたい」と語った。

[2008/09/12:島原新聞]

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ナガサキアシスト初優勝…県ジュニアユースサッカー

 「宅島建設杯第16回県ジュニア・ユースサッカー選手権大会」の決勝が7日、島原市営陸上競技場で行われ、ナガサキアシストが延長戦後のPK戦の末、長崎ドリームFCを破り、初優勝を飾った。また、3位決定戦も同様に国見中がPK戦で海星中を破り、3位入賞を果たした。

 最優秀選手には優勝したナガサキアシストの為田大貴君が輝き、優秀選手には島原一中の林田大樹君ら30人が選ばれた。

 優勝したナガサキアシストは10月、熊本県大津町で開催される「高円宮杯第20回九州ユース(U-15)サッカー選手権大会」に出場する。

[2008/09/09:島原新聞]

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V・ファーレン全国決勝へ…リーグ2位で出場決める

 サッカーの九州リーグ(KYUリーグ)でJFL昇格を目指す本県のV・ファーレン長崎は7日、鹿児島市の鹿児島ふれあいスポーツランドで最終節にのぞみ、ホンダロック(宮崎)に3-3からのPK戦で4-5で敗れたが、リーグ2位で全国地域リーグ決勝大会(11月・沖縄県などで)への出場を決めた。

 KYUリーグには九州各県の10チームが参加。勝ち点47の沖縄かりゆしがリーグ1位、ホンダロックと勝ち点46で並んだV・ファーレンが得失点差66で上回りリーグ2位になった。

 全国地域リーグ決勝大会には全国9つの地域リーグで優勝あるいは2位以内に入った全13チームが出場してJFL昇格を目指して争う。V・ファーレンは平成18年以来2年ぶり2度目の挑戦となる。

[2008/09/09:島原新聞]

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素晴らしい経験に感謝…島原農高生豪州で研修

 夏休み中にオーストラリアで農業研修に励んだ島原農高(龍山不二男校長)の1~3年生4人が5日夜、九十九ホテルであった同窓会(伊藤信行会長)の総会で研修成果の報告を行った。

 海外研修は同窓会が同校創立50周年を記念して創設した基金の援助を受けて毎年実施しているもので、今年で5回目。国際化に対応した農業のあり方を考える機会にし、農業の担い手としての自覚や国際的視野を養うことが目的。

 参加したのは園芸科学科3年の小林弘明君、生活福祉科2年の梅木真由美さんと橋本千鶴さん、園芸科学科1年の田中穂奈美さん。7月23日~8月8日の17日間、オーストラリアで大規模農園や牧場などでの農業研修に励み、1人ずつ農家で生活しながら農業体験に取り組むファームステイも経験したほか、現地高校生との交流や現地の日本人墓地なども見学し見識を広めた。

 総会に出席した約100人を前に生徒らは研修の様子などの映像をスクリーンに映しながら成果を報告し、それぞれ「研修を機に英語を学ぶ意識が高まった。広大な豪州で素晴らしい体験をできたのは皆さんのおかげです」、「後輩にも『良い経験』と胸を張って言える研修は夢のような日々だった。いまは感謝の気持ちでいっぱい」などと感想と感謝を述べ、龍山校長と伊藤会長は「一生懸命に取り組んだ結果いきいきとした生徒たちを見て、協力できてよかったと思う。今後も20年ぐらいのロングプランで取り組み、日本でも例がないほど実績をつくってゆきたい」などと述べた。

[2008/09/07:島原新聞]

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医師確保は至上命題…島原病院、企業団運営でも

 県立島原病院の運営主体が来年度から関係自治体でつくる企業団に移される問題で、県議会の「改革21会派」(代表=橋本希俊県議・13人)は5日、タウンミーティングを島原文化会館で開き、地元住民の生の声を聞いた。

 地方の公立病院は全国的に赤字経営に陥り、加えて医師不足が近年大きな課題となっており、県立島原病院についても今後のあり方が検討されてきた。県と島原市・南島原市・雲仙市・五島市・新上五島町・対馬市の5市1町で設立する一部事務組合「県病院企業団」に運営主体を来年度から移す方針。そのため関係自治体の今期定例議会に同企業団の規約案が提案されている。地域医療を支える基幹病院としての機能を維持しながら、医師不足の解消を目指すもので、地元自治体の新たな負担も出てくる。

 タウンミーティングには同会派代表の橋本県議、地元の楠県議ら議員12人、会場には地元市議や自治体職員を含め市民ら約200人が参加し、大久保参議も駆けつけた。議論を尽くすためにまず、今回の統合・再編の概要や島原病院の診療科目・医師数の現況等について説明。橋本代表は「企業団を設立し運営することで地域医療がどう変わるのか、不透明な部分がある。改革をすべて否定するものではないが、チェック機能が果たせなくならないかと危惧される面もある」などと指摘した。

 会場からは「医師不足は住民生活に直結した大きな問題」、「呼吸器内科医が引き揚げ、他の病院を探さなければならない。患者が少なくなることで病院経営がさらに厳しくなるのでは」、「島原病院(前身は島原温泉病院)創設の意思を生かさなければならない」、「企業団経営により医師を確保し、充実した医療ができるようで聞こえはいいが、なぜそれがいまできないのか。言葉だけに踊らされ、住民にしわ寄せがないようにしなければならない」、「構造改革の一環で行われた医療制度改革が医師不足の原因。根本から変えていかなければならず、政治の役目は重要だ」などと厳しい意見が相次いだ。

 県議団は「住民の意思を市議会議員らに伝え、まず地元でしっかりと議論していくことが大事だ」、「病院は厚生労働省の所管なのに、金の問題から総務省が改革を打ち出しスタートしている時点でおかしい」、「当局は医師不足の問題があるので集約化を図るための再編・統合と言うが、それは問題のすり替え。さらなる医師確保対策は必要だ」、「改革の名のもとに壊れてきている地域医療。切り捨てられてきた地域医療を次の選挙、政治の力で取り戻さなければならない」などと訴えた。

[2008/09/07:島原新聞]

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いつでも、誰でも、気軽に…子育て広場「ぽっかぽか」、やまぼうしの会が月4回

 3日、雲仙市瑞穂町公民館の一室に乳幼児らを連れた母親らが集い、手づくりのおもちゃなどで思い思いに遊ぶ姿があった。市内の公民館や福祉センターなどで月4回開かれている子育て広場「ぽっかぽか」。各種ボランティア経験者など市内の主婦ら7人でつくる「~わらべを囲む人の輪~やまぼうしの会」が「もう一つのおうちみたいな感覚で気軽に集い、お母さんと子どもが遊びを通じて向き合い、母親同士の友達づくりの場にもなれば」と願い、各町の協力者の支援を受けて開いている。

 市健康づくり課が行う「赤ちゃん健康相談」の時に開設されており、会場にマットが敷かれ市販のおもちゃのほか牛乳パックを再利用した手づくりおもちゃなどが並ぶと「ぽっかぽか」に様変わり。利用者は午前10時から午後3時まで自由に来て自由に帰ることができ、1回目の利用時に登録料と保険料として300円を払えば会員証が発行され、あとはずっと無料で参加できる。

 同会代表の桑田久美子さんは自身が子育てしているときに「こんな場があればいいな」と思っていたそうで、「子育てはマニュアルどおりにはいかないし、ママ同士や子育て経験者と接すればヒントを得たり悩みの解決につながる。少しでもお母さん方の手助けができれば-」と思い活動を始めた。会の名称には市の木ヤマボウシを冠し、「小さな花が広がってゆくように子育てを通じて人の輪も広がってゆくように」と願いを込めた。

 「ぽっかぽか」は「ノープログラム」。準備されたおもちゃを使ってどうやって遊ぶかは母子の自由であり、「遊びのなかでお母さんがお子さんとじっくり向き合ってもらえれば」と桑田さん。この日、瑞穂町の中峯聡子さんは長女の佳乃ちゃんと一緒に初めて利用し、「子ども同士も友達ができて、おもちゃも多くて子どもにとって新鮮な場所。ママ友達とも出会えるかも」と感想。手づくりおもちゃで遊ぶ子どもを見守りながら「こうやって遊べばいいんだ。これなら自宅でもできるかも」とヒントも得ていた。

 同会の事業はこのほど本年度市民提案事業に採択され、市からの補助金約150万円はおもちゃ購入や子育て講演会など各種事業に有効活用する。次年度以降は自ら資金を生み出す考えであり、将来は拠点施設を設置して週4回程度「いつでも誰でも気軽に集い遊べる場」づくりを目指す。

 「ぽっかぽか」は今年7月からスタートし、8月までの計8回で延べ176人が利用した。9月中の会場は南串山保健福祉センター(4日)、千々石保健センター(10日)、国見農村環境改善センター(11日)。利用は市外在住者もOK。12月にはイベントも企画している。

[2008/09/06:島原新聞]

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そうめん・ミーティング…松島市長と気軽に語り合う

 南島原市の松島市長と市民らがそうめんを味わいながら気軽に語り合う「そうめん・ミーティング」が5日、同市深江町の一高本舗で開かれた。8月末から10月初めまで市内の千里、みずなし本陣ふかえ、かあちゃん寿司、甚五郎寿し、いしやまの計6か所で開催される。

 特産品のそうめんの地産地消とPRを図ろうと、7、8月にそうめん料理を提供する地元の食堂など30店の協力を得て展開した「そうめんを食べる機会づくり」キャンペーンの一環で実施。参加者はランチ代を自腹で出し、1時間程度ざっくばらんに市長と語り合う。

 この日は青年商工業者など5人が参加し、斬新なそうめん料理に舌鼓を打ちながら、原城跡などを含めたキリスト教と関連遺産の「世界遺産」登録を目指す動きや島原半島3市が一体となって目指す「ジオパーク」国内初認定に向けた活動、企業誘致に関する同市の地理的問題などについて語り合ったほか、参加者からは「線路跡地を道路やサイクリングロードにし、旧駅舎をサービスエリアにしてはどうか」など、島鉄南線廃線後の活用策についても意見が出ていた。

[2008/09/06:島原新聞]

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『交通安全は家庭から』…内閣府からメッセージも

 『みんなですすめよう交通安全』を合言葉に県民の交通安全意識の高揚を図る「交通安全キャンペーン全国キャラバン隊長崎県出発式」が3日、島原城西の櫓前で盛大に行われ、同市中心部でパレードを繰り広げるなど交通安全を広く呼びかけた。

 同キャラバン隊は、「交通安全は家庭から」を指針に活動する(社)全国交通安全母の会連合会と県交通安全母の会連合会が内閣府政策統括官(共生社会政策担当)の委嘱を受けて毎年実施しているもので、今回が30周年の節目。全国7ブロックに分かれて先月21日スタートし、九州ブロックは大分県を出発点に宮崎、沖縄、鹿児島とタスキをつなぎ、熊本県から引き継いだ。

 式には県交通安全母の会連合会の上田すず子会長、濱本県島原振興局長をはじめ、警察・交通安全協会、市交通安全母の会連合会、島原一小6年生、市交通指導員、市老人クラブ連合会の関係者ら約300人が参加し、交通事故の犠牲者に黙とうを捧げた。

 上田会長は「子どもが犠牲になる悲しい事故が1件でも減るよう啓発し、交通安全の輪を広げていきたい。高齢者の交通事故も増加傾向にあり、母は家庭の交通安全管理者として啓発に取り組んでほしい」とあいさつ。

 交通対策本部長の内閣府特命担当大臣から全国キャラバン隊に託された県知事あてのメッセージを上田会長が読み上げ、濱本局長に伝達。続いて県警本部長あてのメッセージを県警交通企画課長に伝達した。

 来賓を代表して濱本局長があいさつし、同局長らが交通安全を願って標語を記した色紙を贈呈した。

 このあとパトカーと白バイが先導し、「母の会」のメンバーら約150人がお城~島原図書館前~島原市役所のコースでパレードを繰り広げ、市民に交通安全をアピール。さらに市役所西側玄関前では吉岡市長ら地元関係機関に対するメッセージ伝達式も行われた。

 本年度の県キャラバン隊は南島原市、雲仙市の島原半島3市で3日間かけて繰り広げ、5日の雲仙市では県と県交通安全母の会連合会の協働で「高齢者交通事故防止対策事業」も実施。このあと次の佐賀県に引き継がれる。

[2008/09/05:島原新聞]

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「島商ップ」13日オープン…商売の「いろは」を学ぶ、5年目・自ら企画運営

 島原商高(楠田恭子校長)の生徒14人による販売実習事業「島商ップ(しましょっぷ)」が今年も13日に島原市中堀町の重松花屋隣りの空き店舗に開店する。毎日営業ではないが、12月24日まで。

 課題研究「空き店舗の復活」に取り組む生徒らが実際に店舗を運営し、商売の「いろは」を学びながら地域との交流を図る場として平成16年秋から取り組み、今年で5年目。生徒自らが企画・運営し、仕入れ・販売実数と実践的な経験を積み重ね、ビジネスの基本を学ぶことが目的。

 これまでは県などの公的補助を受けていたが、今年は中堀町商店街(隈部政博理事長)と島原商工会議所が家賃経費やチラシ制作費などの助成をするのみで、これまでの島商ップの自己資金を活用して運営。同商店街によると、島商ップは定着しつつあるそうで、これの継続により空き店舗対策として、また若者の若さと活気によりにぎわいを生み出し地域コミュニティーの場として、商店街の活性化を図ることを目指す。

 13日は午前10時からオープニングセレモニーを行い、島商バトン部のパレードや島商不知火太鼓の演奏で開店を祝う。五島うどんやみそ汁などの食品類、手づくり小物やお菓子などを扱い、営業は火曜日の午後4時~午後6時と金曜日の午後1時~午後6時、土曜日の午前110時~午後5時。それ以外に平日の夕方は店頭で広報活動に取り組む。

[2008/09/05:島原新聞]

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銀メダルの内村選手の父…「おめでとう」と祝福、深江幼稚園の園児を指導

 北京オリンピックの体操の個人・団体で銀メダルに輝いた諫早市出身の内村航平さんの父・和久さんが2日、南島原市深江町の認定こども園「深江幼稚園」(横田文香園長)の園児に体操を指導した。和久さんは15年ほど同園で指導を続けており、この日は北京五輪閉幕後初の指導日となった。

 福岡県出身の和久さんは柳川商高(現柳川高)時代に高校総体で優勝経験があり、1992年に諫早市栗面町でスポーツクラブ内村をスタート。その体操クラブで航平さんは3歳から体操を始め、今夏、体操の日本代表チーム最年少選手として活躍し、県民に感動を与えた。

 和久さんも8月中は北京で我が子の演技を見守り、同園の保護者らは「オリンピック出場おめでとう」、「祝内村選手メダル獲得」などと明記した横断幕を準備し、園児らも絵を描くなどして地元からエールをおくった。和久さんは「他の競技に比べ競技人口が少ないため底辺拡大が自分の使命であり、(航平さんの活躍は)頑張ったら可能性がある、ということを幼い子どもに示してくれた」と振り返る。

 「専門的に教えてもらおう」と招かれた同園には毎週火曜日に訪れており、いま園児らは21日の運動会に向け練習を重ねる日々。そのうち年長園児約30人は発射するロケットをイメージしたダイナミックな組体操に挑戦。「頑張るぞ!」などと和久さんはいつものように大きな声で呼びかけ、ときどき園児と一緒におどけたり笑ったりしながら、合計1時間の練習はあっという間に終わった。

 指導終了後に「銀メダルおめでとう」と1人の園児から声をかけられ、思わずガッツポーズとともにニッコリほほ笑む和久さん。「人前で発表する度胸をつけ、動じないような子どもになってほしい」と願っている。

[2008/09/04:島原新聞]

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「県のだんだん畑十選」に…南串山と加津佐の三地区

 県農林部は1日、「長崎県のだんだん畑十選」に認定した12地区を発表。島原半島関係では雲仙市南串山町の辺木・小竹木(へぎ・こたけぎ)地区と椎木川(しいのきがわ)地区、南島原市加津佐町の津波見(つばみ)地区の3地区が選ばれた。

 同十選は、先人たちが多大な苦労の上で切り開いた田畑などが農村景観の形成や伝統文化の継承など歴史的文化遺産としての価値を有するなど、その価値が再認識されているなか、県民に中山間地域の畑作地区に対する理解を深めてもらい、「農地・農業用施設の適切な維持管理」や「都市と農村の交流」によるいきいきとした地域づくりを推進することを目的とし、県内において活発な地域活動が期待できる優れた中山間地域の畑作地区を選んだもの。

 認定式が10日に大村市民会館で行われる。半島関係の3地区の概要は次の通り。

 △辺木・小竹木=総面積31.4ヘクタール、ほ場枚数約800枚。山の山頂まで続く急傾斜の坂道に耕作された雄大な農地が並ぶ自然の風景が優れ、JA青年部による郵パックの産地直送が実践されており、今後の地域活性化に向けた取り組みが期待される。

 △椎木川=総面積7.8ヘクタール、ほ場枚数約200枚。橘湾や山肌の緑と耕作された雄大な農地が広がる。認定農業者やエコファーマーなどの地域の担い手が多く、地域活性化のさらなる発展が期待される。

 △津波見=総面積20ヘクタール、ほ場枚数約500枚。天草灘の海原や山肌の緑とだんだん畑を一望できる風景が優れている。校区内の小学生や修学旅行生の農業体験の受け入れが行われており、民泊を中心としたグリーンツーリズムの計画を行うなど今後の地域活性化が期待される。

[2008/09/04:島原新聞]

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「目配り・気配り・心配り」…お散歩パトロール出動

 1日の小学校の新学期スタートに合わせて地域住民による見守り活動も活動開始。島原三小校区で「お散歩パトロール」を展開する白山地区町内会連絡協議会(野田隆義会長)や白山地区民生委員協議会(永門重明会長)などはさっそく学校近くの交差点や町内各所に立って、下校する児童らの安全を見守った。

 「目配り・気配り・心配り」を合言葉に、緑色の帽子や腕章を着用した地域住民らが校門など出入り口3か所や町内随所に立ち横断誘導や声かけをしたりして見守るもので、1日約50人体制の交替制で30分~1時間程度の無理のないボランティア活動を呼びかける。

 広島県などで児童殺害事件が発生したことを受け平成17年12月に開始してから2年半ほどがたち、児童らと「パトロール隊員」らもすでに顔見知りの間柄に。市教育委員会把握分で平成19年度は10件の不審者情報が寄せられたが、三小校区はほとんどなかったという。

 同日午後1時すぎにグラウンドであった2学期スタート式では隊員約40人と、1、2年生約160人が顔合わせ。岩本晶代教頭が「みんなを守るためにパトロールに取り組んでおられる皆さんに感謝の気持ちを伝えましょう」と述べて児童らも「皆さんのおかげで無事に過ごせます。2学期もよろしくお願いします」と声を合わせたあと、下校ルートごとに数班に分かれて隊員と一緒に帰路についた。

[2008/09/03:島原新聞]

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