青い目の友情人形「リトル・メリー」ちゃんが2日、南島原市の有馬小学校(吉田英則校長、児童数255人)に出かけ、同小の子どもたちに自身の体験を語り、平和への思いを伝えた。
有馬小は4年前、旧町内4つの小学校が1つに統合されてできた、真新しい学校。旧校舎が取り壊される際、古い資料の中から「昭和2年」、同校で催された「亜米利加人形歓迎会」の写真2枚が見つかった。1枚には「昭2・6、人形メリー」と鉛筆書きがあり、その名が「メリー」であることも分かったが、実物はなかった。他の多くの青い目の人形同様、戦時中「敵国人形」として処分されたものとみられている。
この日、島原親善人形の会の中島一雄会長、北田貴子さんとともに同小を訪れた島原第一小学校(大村好喜校長)の青い目の友情人形リトル・メリーは、「日本のお母さんの仕事着(である)もんぺの布で作った服に着せ替えられ、雛人形と一緒に木箱に中に姿を隠し、戦禍を免れた」。中島氏は、「何故この人形が生き残ることができたのか」、実際に木箱に入れてその様子を再現して見せ、昭和59年に再発見されるまで「43年間、箱に中に眠っていた」ことをあわせて紹介した。
子どもたちは、そんな話を聞いて「戦争がおきて、悲しかったです。これから平和について考えていきたい」と、雨の中、遠路同校を訪ねてくれた人形に感謝の気持ちを添えて感想。「また会おうね」、「元気でね」と声を掛けていた。
同小では先月、4年生児童が長崎市に出かけ、長崎歴史文化博物館で開催中の「青い目の人形展」を見て学習した内容を、全校集会で発表。今後、学年ごとにビデオや紙芝居等を使って学習を進め、5、6年生は中学生と合同の学習会にも参加する。8月9日には戦争体験者を学校に招き、平和集会を開く予定。
平和学習(教育)担当の池田富美子教諭は、「青い目の友情人形を通しての平和学習は今回はじめてでしたが、すでに80年も前に日本のアメリカが仲良くなるようにと(願って)人形を交換したことを知り、嬉しくなりました。これからの取り組みを通して子どもたちの平和への思いを広げていきたい」と話した。
[2007/07/05:島原新聞]
ラベル: 南島原市, 南有馬町, 有馬小学校