桜がちる夜に

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更新日 2018-05-20 | 作成日 2018-05-20

「カインの贖罪の背景」

**カインの歴史
**特別管理官について
**クローンについて

「惑星カインの歴史」

人口の爆発的な増加に伴い、宇宙に進出したコロニー間で形成する連邦国家評議会は、外宇宙への移民を推進した。
移民推進委員会によって外宇宙に発見されていた惑星カインは、新天地としてその後の長期に渡る調査が行われた。
調査の結果、知的生命体の発祥も認められず、移民星の一つとして多くの移民の受け入れを開始。
その後、最も巨大な大陸を二分して社会主義思想レダリアと民主主義マルクスの二大国家を形成していく。             
また、その衛星ルーナには地下都市が栄え、二つのコロニーも建設された。

そしてその後・・・



【カイン歴194年】
レダリアと軍事色の濃い第13コロニーが同盟締結。

(第13コロニーは、彼らの母星との中間点に作られたコロニーで、未知の外宇宙に警戒して軍事面が大幅に強化されている。しかしカインが発見されて移住が開始すると星間貿易が活発化し、豊富な資金源に恵まれた13コロニー軍は連邦に疎まれ始めていた。)

レダリアは第29代大統領ランドルフの独裁体制の下、地下資源の多いマルクスに対する抗議行動が強まる。
マルクス、それに警戒し軍事強化。

【カイン歴196年】
レダリア軍、地下資源埋蔵量の多い、マルクス北部地域に侵攻。
マルクス、連邦へ軍事介入求めるが呼応無く、独自に応戦。
ここにカイン戦争始まる。

【カイン歴197年】
戦争終結の気配見えず、やむなくマルクス軍に連邦参戦。
レダリア軍、南部国境地域に核を使用。連邦の遅すぎた対応により、戦争は泥沼の様相を見せ始める。
レダリア軍は、国内にクローン研究所を建設していたことが公表される。

【カイン歴199年】
レダリア軍、連邦の非難を浴びながらも戦線に実験的にクローン投入。クローン及びその技術は、第13コロニーからの提供と思われる。
半年後、クローン本格投入。北部地域に再度侵攻し、次第に領土拡大。対するマルクス軍に死傷者急激に増加する。
クローンの死を恐れない捨て身の戦術は、マルクス軍の恐怖となりクローン論議が活発化。使い捨ての悲惨なクローンの末路に連邦からも非難の声が上がる。

【カイン歴201年】
連邦、数回交渉の場を設けるがいずれも両国の調整がうまく行かず、交渉も不備に終わる。マルクス国内で平和活動活発化。開戦より5年を経て、国土は荒れ果て両国とも食糧難が深刻になる。
連邦は、レダリア軍に核を使用。
レダリア軍、マルクスに核や生物兵器で応戦。主要都市は廃墟となり、地下施設を除いてカインは居住地域が極度に限定される。

2ヶ月後、側近により大統領ランドルフ暗殺。レダリア軍は内部崩壊し、連邦はレダリアの重要議会委員上層部を逮捕。破壊の限りを尽くしたカイン戦争はようやく終わりを告げた。
両国民より放射能被害が多数報告あり、極度に出生率減少。連邦の国土調査員の報告により、カイン居住者は核汚染のためにルーナ、及びコロニーへ移住し、カインの自然回復を待つ方針を打ち出す。
住民を全てカインより撤退。



【カイン歴347年】
ルーナ、及びコロニーの人口が過密状態となり、連邦はカインを調査した上で移住可能と判断。
順次カインへの再移住開始。

【カイン歴369年】
旧レダリア地下軍事施設より、冷凍睡眠状態のクローンが大量に見つかる。

【カイン歴373年】
偶然蘇生したクローン3名により、ミリカ村48名全員死亡。その後軍の特殊部隊投入によりクローン殲滅。
制圧に当たった軍関係者27名死亡。
重く見た連邦は、首都サスキアに連邦遺跡管理局本部を発足。旧レダリア軍の軍事施設を遺跡と称し、その破壊活動に当たる。

【カイン歴376年】
クローン法発足。わずか2名の遺跡処理特別管理官により、クローン研究所を襲撃した5名のクローンを数分で制圧。彼らは軍関係者の期待に答える働きを見せ、そして・・

そして・・・彼らのストーリーが始まる。

「特別管理官について」

『この物語は、6人の兄弟の話です。』
6人はそれぞれがペアとなり、連邦遺跡管理局の遺跡処理特別管理官と言う肩書きで仕事をしています。
(同じ管理官でも、彼ら以外は遺跡処理管理官という。クローン処理は任務に含まれない)
特別が付く彼らは、文字通り旧レダリアの軍事施設の破壊と、彼らのみコールドスリープで生存しているクローンの処理を任されています。
依頼があればカイン各地へ派遣されますが、ほとんどの施設は廃墟となっているため、彼らはほとんどを自分たちペアの二人だけで仕事を済ませて、大がかりに軍が乗り出すことは滅多にありません。
しかし、対クローン要員なので、クローンが確認された所や確認できない遺跡の破壊には必ず彼らが動員されています。
地上にある遺跡は全て軍で処理が終わっているので、現在は点在する移民に偶然発見された地下施設がほとんどです。

「クローンについて」

旧レダリア軍の、戦争遺物と称される。
カイン各地に残る、旧レダリア軍の軍事施設、(現在残っているのはほとんどが地下施設)
そこにクローンの予備として配属された物がコールドスリープで眠って生き残っている。
彼らが眠る装置は、独立したコールドスリープ装置である透明のチューブに蘇生装置を組み込んだ物で、旧レダリアではこれをクローン工場で大量に生産していた。
何かの拍子で蘇生装置が危険を感知すると、エマージェンシーが働き、クローンを蘇生させてしまう。蘇生したクローンで問題を起こすほとんどは、老朽化によるこの蘇生装置のバグと機械の故障による脳障害からと言われる。
 クローンには人間にない特殊能力を持つ最高ランクや、生命力のみを重視した一般兵の最低ランクまで多様。
コールドスリープしているのは、ほとんどが貴重であったランクの高いクローン。
全て真紅の瞳を持ち、人間と区別する。
平均寿命は20年〜40年前後。最高ランクほど細胞の老化が早く短命で、最低ランクほど長命。
現在のカインでは、クローン保護法も力は弱いが存在しており、特別管理官は蘇生しているクローンと遭遇した場合、状況を見て保護することも行っている。
また、蘇生したクローンを悪事に利用する者もいるため、人間が同居したいと希望した場合は特殊能力を強化洗脳により封印され、厳しい登録と管理を行う。
偏見も強いが、クローンは一般的に美形が多く従順なので、幸運な出会いをした人間と同居する者も増えている。ただし生殖能力はない。
従順だが性的略取を目的とする人間は、たとえ相手がクローンでも罰金及び懲役刑を受ける。
クローンに関連する研究や管理は、すべてサスキアのクローン研究所が取りまとめており、研究所にある居住区域には保護したクローンが人間社会で暮らすリハビリなどを行っている。